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Googleで2030と打つと

2023.03.12(日) 05:00

Googleで「2030」と打つと、トップに「2030年問題」と表示されるのをご存じだろうか。「2030年問題」というのは、同年に日本の人口の1/3が65歳以上の高齢者になる超高齢化によって引き起こされるさまざまな問題を指す。一般市民の生活は言うまでもなく、多くの店舗や企業存続の危機が到来すると言われているのが2030年、厳密に言うと「2030年以後」である。

現在すでに少子高齢化が問題となっているが、実は人口減少および社会の高齢化は始まったばかりである。ここからジェットコースターが滑り落ちるが如く、その傾向は強くなっていく。下のグラフは総務省のHPから引っ張ってきたものである。

あくまでも推定値ではあるけれども、すでに女性の半数以上が50歳を超えている現状では、推定値とは言ってもほとんど確定値に近いのがここから20年間ぐらいの数字である。簡単に書けば、7年後の2030年には現在よりも650万人ほど減ることになる。つまり、北海道の人口がそのまま消える計算となる。

なぜ減少しているのかと言えば、政治的失策によるものである。たとえばハンガリーのような異次元の少子化対策をとっている国では、国家が40歳未満の女性に金を貸し付け、3人目の子どもが生まれると返却義務が消滅するとか、4人目が生まれると所得税が免除になるとかいった政策が敷かれている。

日本の場合、本当にちまちました「出し惜しみ」しか行われておらず、したがって子どもを産もうと国民に考えさせるには至っていない。その割には政治家の給与、特に与党政治家に与えられるカネ(旧文通費含む)は世界一高い。政治家を選出しているのは国民なので、国民が悪いということになるのだろうけれども。

少子化で思いつくのは多くの学校の合併や倒産である。特に私立小学校や中学校では入学する子どもの数が減少し始めていて、私が勤めていた学校でも、以前より多くの合格者数を出さねばならない状況である。塾や予備校の生き残りもかなり厳しい状況で、経営者たちは生徒集めに躍起になっている。

生徒を相手にしている企業も然りで、今までより模試の受検者が激減していたり教材の売り上げが減少していたりする。子どもの数が減少しているのだから当然の話で、なかには「無料でもいいから模試を受けてくれ」と言って営業している会社もあると聞く。

街に目を移すと、閉店する店舗が増えてきたとは思わないか。私の住む西宮市では、以前なら予約を取るのが困難だった四川料理店が2月をもって閉店となった。行列ができていたケーキ屋が規模を縮小した。人口減少の波はここから一気に押し寄せるのである。

保身と当選にしか興味のない政治家に期待するのは間違いだろう。街を維持するために、社会保障を維持するためにという名目で、彼らのフトコロを維持するために我々はまたぞろ増税を課されるのであろうか。

私もまだまだ生きたいと思っているが、少なくとも30年後、つまり2050年の日本社会、現在より3000万人(東京と神奈川と大阪の全人口)が減少した日本社会がどうなっているのかを目に焼きつけたいと思っている。政治家に期待できる状況ではないように思うが、「異次元の少子化対策」がどうなるのかに注目している。

木村達哉

追記
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