近所のグラウンドで高校生たちが野球を楽しんでいる。けっこうな数の応援があるようで、拙宅のベランダにいると大きい歓声が聞こえてくるのが耳に心地よい。年に60試合ほどあるタイガースの応援とは違って一体感があり、試合前後に煙草の人工的で吐きそうな臭いも漂ってはこない。少年たちが嬉々としてグラウンドの応援席から飛び出してくる。
ただ、調べてみるとそれぞれの県によって球児の数や高校の数が異なるものだから、何年かすればこの大会もカタチを変えるかもしれないと言われている。東京や神奈川のように何試合も連勝しないと決勝戦にたどり着けないところもあれば、3試合ほど勝てば甲子園出場を賭けた決勝戦という県もある。
後者の場合、人口が激減しているのだからいたしかたないとはいえ、前者の高校生からすれば羨ましく思えるかもしれない。数試合の連勝のあとに私立の野球強豪校が待ち構えている公立高校の生徒たちは、そりゃクチでは大谷君のペップトークのようにナインを鼓舞するのだろうが、内心ではどうなのだろう。
少子化は残酷なほどに国のカタチを変える。それは教育現場やスポーツの大会も同じであり、今までと同じように運営できるはずがない。どこかで変えなければ、フェアが売り物のアマチュアスポーツがアンフェアの誹りを免れない。
恵泉女学園大学が学生募集を打ち切るというニュースが流れ、noteに少子化について書いた(こちら)が、人口減少は大波である。小舟は転覆の運命にある。ただ、我々人間は生きていかねばならない。どんなに組織が転覆しようとも、天寿をまっとうしなければならない。最低限のカネが必要だろうし、そのための方策を練らねばならない。そして文化的な生活を享受せねばならない。
個人的には、戦地にしゃもじを贈る政治家を当てにしているとまたぞろエライ目に遭わされるんだろうなと思って、まずは勉強を通じて自分のレベルを上げ、国がどういう状態であっても自分だけは生きていくぞというファイティングスピリットを滾らせているのである。
木村達哉拝
追記
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