東洋大姫路と言えば、我々の世代は甲子園の優勝投手となり、ドラフト1位で阪急ブレーブスに入団した松本君である。松本「君」と書いたが、いま調べたら私よりも年上であった。江夏二世と呼ばれたが、プロでは大活躍とはいかず、現在はオリックスで縁の下から選手を支えているとウィキペディアが教えてくれた。
東洋大姫路、野球部で有名ではあるが、中高一貫校で大学進学を目指す生徒たちもたくさんいる学校である。昨年度は大阪大、九州大、千葉大、神戸大などの国公立大学に59名の合格者を、関関同立には50名の合格者を出している。
今日は親しくさせていただいている小笠原先生からの依頼で、『新ユメタンJr.』を使っている中1生徒たち88名に講演というか授業というかをさせてもらった。さすがに中1ともなれば元気のカタマリで、それでも90分の講演をしっかりと聞いていた。
私が中1の頃は大学など考えていなかったし、そもそも友達と野球をしたり虫採りをしたりすることしか考えていなかった毎日であった。勉強は、そりゃ学校には通っていたけれども、熱心にすることもなく、週に1度だけ近所のおっちゃんから英語を教えてもらうだけの日々であった。あの「週1度」が効果的だったのかどうかもわからない。
家に帰っても父は言うまでもなく母もいなかったので、お八つを食べながら23時頃に帰宅する母を、本を読みながら待っていた。弟とはあまり折り合いが良くなかったが、自室があるわけでもなかったので、テレビのある部屋(リビングなどと呼べる部屋ではない)で静かに本を読んだり文章を書いたりしていた。太宰先生も夏目先生も芥川先生も中学時代にぜんぶ読んでしまった。
今の子どもたちは大変だなぁと思う。ただ、私にも責任の一端があるようにも思えて、今日のような依頼には気持ちよく応じることにしている。私の話を聞いた中1生徒たちが、人生を深く考えるきっかけになったのであれば、そして英語の勉強をするプロンプトになったのであれば、幸甚の至りである。
木村達哉
追記
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