ラ・サール中高の丸山先生とは長いつきあいだ。『新ユメサク』という日本語の加工に特化した英作文の本を共同執筆したり、鹿児島に行った折には一緒に酒を酌み交わしたり。家族ぐるみと書くと言い過ぎかもしれないが、奥様やお子さんたちに挨拶をしたこともある。
その丸山先生と一緒に、鹿児島の天文館図書館で、しっかり本を読みませんかという内容のイベントを開催する。4月8日だから10日後か。
日本語の文章を読めない人に英語の文章が読めるわけもなく、したがって灘校では生徒たちに私の読んだ本をコラム付きで紹介するという企画を続けてきた。灘校退職後はこちらで個人的にそれを続けている。
灘校での企画を知った丸山先生が私の授業見学にやってきた。そして、ラ・サールでもそれを取り入れた。良いことはこうしてどんどん広げていったほうがいいのである。生徒たちや保護者から好評で、結果的に彼は読書コラムを『旅をする本』にまとめた。すでに読まれた方も多いのではないか。
そのご縁でラグーナ出版という出版社を知ることになり、私も精神障碍者の就労支援を行う同社の理念に共感し、『あなたのちからになりたくて』を出すことになった。今回のイベントは、英語の話ももちろんするのだけれども、どうして「読む」が大切なのかを知っていただくためのものである。
鹿児島の人たちは言うまでもないが、新学年のスタートということもあり、今年度こそ読書家になってやるぞとか、自分も本を出してやるぞとかいったファイティングスピリットばりばりの方々に是非ともご参加いただければ幸甚である。
木村達哉