本当に失敗だらけの人生で、何かが上手いこといったなぁと思ったことがとんとない。学校時代を思い出しても大学時代を思い出しても、勉強はできず、野球は大して上手くなく、ギターはミスばかりしていて、モテた記憶もない。立派な賞状をいただいたこともない。要はそういう人生なのである。
灘校に勤めていましたと言うと相手はおぉ!という顔をなさるが、超進学校でも頑張っているのは生徒たちのほうであって、教員はなんてことのない授業を淡々と繰り返しているだけである。
ワタシノジュギョウハスゴイノダと思っていらっしゃるエライ先生は幸せだなと思う。ただ、評価をするのは生徒たちである。少なくとも私の授業が良かったから東大に入れたのだと思っている教え子がひとりでもいたら、そいつは頭がおかしい。
ただ、こんな私にも支えてくださる奇特な方々がいらっしゃるから、なんとかかんとか生きていけるのである。子ども時代は明らかに母であった。彼女がいなかったらおそらく私は就職すらしていなかっただろう。折々にそういった方々との邂逅があり、私はこうして生きているのである。ほうぼうに感謝しながら生きなければばちが当たるというものだ。
鹿児島でラグーナ出版が主催するイベントを行ったが、90名近い方々がご参加くださった。終了後にラグーナの川畑代表と丸山君と久留米から来てくれた藤木君とで人生の反省会(要するに飲み会)を開催したが、川畑さんが私のためにパーティーを開いてくださることになった。思わずトイレで涙ぐんだ。
いろんなことがあった人生だが、今はそれなりに幸せだなぁと思う。確かに灘校からの年間数百万はいただけなくなったので勤め人時代に比べればかなり質素に暮らしているけれども、大事なのはカネではなくヒトだなぁという想いを強くしている。
新学年が始まり、私は数えで60歳になった。西川きよしさん同様、大きいことはできないし、そもそもいつまで生きられるのかはわからない。が、命あるかぎり周囲にいてくださる方々の期待を裏切らない生き方をしていこうと思う。人生は主体的であり自分でその方向性を決めるべきではあるが、それでも周囲の方々がいらっしゃらなくなれば死んだも同然。支えてくださる方々に感謝しながら、作品を創り続けていこう。
木村達哉
追記
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