3月に寺小屋グループ主催のイベントが松山市で行われた。中学生とその保護者が対象であったと思うのだが、会場いっぱいの方々を前に90分ほど講演をした。質疑応答では何人かの中学生が挙手し、英語の勉強について全員が考える機会となった。
時間の関係で応えきれなかった質問や相談についてはメールなり動画なりで対応しますと申し上げたら、後に寺小屋グループの平尾課長から10個の質問が届いた。イベントの主たるテーマは英語勉強法だったので英語関係かなと思いきや、必ずしもそうではなく、ある意味で回答しがいのある質問が多かった。
まずは「中高生のうちに読んでおきたい、お勧めの日本語の本はありますか」という質問に回答した(回答はこちら)。回答するにあたって、本棚から数冊の本を抜き出すつもりが床に座り込んで読み込んでしまい、このままではたかだか10分の動画を撮るのに数時間を要することになるぞと苦笑した。
先日の読書イベント(鹿児島)で述べたことだが、読書は体質である。読書体質が身についていないヒトが「なにかお勧めの本を」と言っても、読むことが体に染みついていないのだから、続かない。数冊読んで、結局はスマホに戻っていってしまうのではないかと思う。
読書は思考の源泉である。小説を読み、ノンフィクションを読み、新聞を読みながら、どうして著者はこういう設定にしたんだろう、なにを著者はこの本で言いたかったんだろう、どうして、どうして、どうしてと考え続けることになる。読むことでしか論理は身につけられない。
私の場合、貧しい家の出自でよかったと本当に思っている。もし恵まれた家庭で生まれ育っていたら、本を手に取っていなかったのではないだろうか。いろんなところに連れていってもらったり、今のようなスマホのゲームではないにしても楽しいおもちゃを与えてもらったりして、結局は本に手を伸ばさなかったかもしれない。人生万事塞翁が馬である。
本を読む子に育てたいという親の場合、まずは子どもに読む自分を見せることであろう。うるさいからといってスマホやゲームを与えてしまうと、ほとんどの場合、本には手を伸ばさない。親や教師に与えられた本しか読まない人間になると思われる。キーパーソンは親なのである。まずは動画で紹介した本を手に取っていただければ幸甚である。
追記
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