BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. AIがあるから英語なんてと言うのであれば

AIがあるから英語なんてと言うのであれば

2023.04.13(木) 09:00

AIの出現によって英語教育って不要になるんでしょうか?と、えらい不安そうな顔つきの英語教員から尋ねられたことがある。一度や二度ではない。それに、あまり勉強欲のない生徒たちからも、英語なんかAIがあるんだから要らないじゃないかとも。

であれば、電卓があるんだから算数や数学を勉強しなくていいだろうし、レストランや居酒屋があるんだから自分で料理なんか勉強しなくていいだろう。なにもしなくていいんじゃないかと答えることにしている。道具が現れたから勉強しないという意味がまったく理解できない。

それについてはこちらの動画でも話をしたが、AIを使ったことがあればそんな疑問は湧いてこないのではないだろうか。のこぎりがなかった時代、ヒトは木を切っていなかったのだろうか。ナイフがなかった時代、ヒトは何も削れなかったのだろうか。新しい道具が出現するたびに便利にはなるが、だからと言って「しなくていい」なんてことにはならない。

加えて、たとえばDeepLが作った英語の文章と私が作った文章を比較すると、当然のことながら私の英語のほうが人間らしくなる。文章というのは正しければ良いというものではない。日本語にしたって文章を書く際にはさまざまな表現を駆使するものである。

機械のトリセツであればDeepLも良いのだろう。けれども、自分が書いた文章で相手の気持ちに訴えかけるためには、道具が書いた文章を多少参考にするのは構わないとしても、それをそのまま使っていては用をなさない。

我々は人間である。言語はそれぞれの人間を表すものである。どんな言葉遣いをするのかを、ヒトは見ているのである。道具はあくまでも道具であって、どう頑張ったところで人間にはなれない。私は、AIがあるから英語など要らないというヒトとは付き合いたくはない。多少ヘタクソであっても、自分の言葉をしっかりと使うヒトと付き合いたい。

木村達哉

追記
無料メルマガ「KIMUTATSU JOURNAL」を配信しています。メルマガを読みたいという方はこちらからご登録ください。週2~3通のメールが私から届きます。勉強について、英語について、幸せについて、人生について、お金について、書いています。