中学1年で初めて英語に触れた。road(ろうど)が「道路(どうろ)」であることに大喜びしたのが懐かしい。小学校卒業時に配付された厚みが3センチほどの小さい英和辞典を開いては、こんな単語があるのかと毎日わくわくしながら英語に触れていた。
検査を受ける頭など微塵もなかった。英検が第1回の検査を行ったのが1963年8月だから、私が誕生する半年ほど前か。私が中学生の頃にはおそらくそれなりの人数が受検していたのだろうけれども、奈良県の田舎では「エイケン」という言葉は浸透していなかった。
薄い英和辞典を開いていた12歳の少年が59歳になり、相変わらず英語に毎日触れている。今では辞書よりも『English Express』やYouTube動画、NYTやFox News、はたまたObama夫妻やPresident BidenのTwitterを見ることがほとんどである。
ではもう辞書は引かないのかと問われると、答えは否である。例えば上に挙げた海外の報道では専門用語や知らない表現が出てくると、英辞郎on the WEB ProとCasioのEX-Word Professionalで調べることになる。DeepLなどに貼り付けるという人もいるだろうが、ほとんど使えないのである。
たとえば、29日のFox Newsに次のようなヘッドラインの記事を見つけた。
Lions’ Dan Campbell tries his hand at a dad joke after team drafts Jack Campbell
Google翻訳(要するにTwitterにある「ツイートを翻訳」)は「ライオンズのダン・キャンベルはチームがジャック・キャンベルを起草した後、お父さんのジョークに挑戦します」と日本に直した。この日本語を理解できる人がいらっしゃったら天才である。
そこで、上に述べた各種の辞書で調べるのである。EX-Word Professionalは極めて多くの辞書が入った電子辞書なので、かなり使い勝手が良い。電子辞書に入っている全ての英和辞典の全ての例文がヒットする機能(例文検索)がトップページに付いているので検索しやすい。try one’s hand at A(Aに挑戦する、Aをやってみる)やdad joke(おやじギャグ)といった表現もすべて掲載されている。
LionsやDan Campbellがどういうチームや選手なのかはネットで検索すればいいのだけれども、肝心の英語表現については英辞郎on the WEB ProとEX-Word Professionalのほうがネットよりも調べやすいのである。そして、これは覚えておこうかなと思った表現は専用のメモ帳に手書きで書きつける。アナログかもしれないが、一番チカラが付く。
今も頼まれれば英語の授業をする私だから、英語力をブラッシュアップしておかねばならず、灘校で働いていた頃の何倍もの量の英文を読んでは調べ、覚えている。高1時代の英語成績はおそらく偏差値30とか40であったと思うが、高2から始めた言語の勉強を継続しているおかげで今の私がある。英語が苦手な人は、まずは始めること。そして、なにより大切なことは続けることである。
木村達哉
追記
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