絵本を出した経緯を知りたいという質問をいただいた。何度も話したり書いたりしているので、以前からブログやSNS、YouTubeチャンネルなどをご覧くださっているコアな方々はご存じかもしれないが、キムタツを知ったのはつい最近だという方もいらっしゃるだろうから、その方のために改めて話した。
ラグーナ出版を知ったきっかけはラ・サール中高の丸山先生が『旅をする本』という本を同出版社からお出しになったことである。精神障害のある方々の就労支援をしている出版社で、絵本を出すとしたらラグーナ出版さんがいいなと以前から思っていた。
絵本を創作しようと思ったのは、教員時代に学校に通えなくなった生徒たちのちからになりたかったからである。中には私自身の言葉が刃となった子もいたかもしれない。西大和学園にしても灘校にしても悪い学校ではないと思う。が、それなりに勉強は厳しい。塾とのダブルスクールに疲れ果てる生徒はかなり多い。親の目が気になって病む子たちも。
SNSを見ると中学受験をする子どもの親たちの意見交換が盛んである。どうすれば合格するのだろう、この方法のほうが、いやこっちのほうがと、昭和時代のバーゲンに群がる女性たちの如き状態である。そして、書き込みを見ていると多くの親がどうすればいいのか惑っておられる。
私立中学校は万能ではない。選んだ学校に順応できればまったく問題はないが、そうでないと一気に学校に通えなくなる。進度が速いので、少し欠席が続くと置いていかれる。先生方は面倒見の良さを売りにするが、だいたいの学校は成績上位層に意識が向く。模試のたびに何とかして上位層を増やしたいという気持ちでいっぱいになり、その結果、通えなくなった子どもたちはさらに通いたくなくなる。
そんな子たちをたくさん見てきた。私学じゃなくて公立中学に行っていればこの子はスーパートップに君臨し、笑顔で過ごすことができたろうになと思ったことは10回や20回ではない。実際、中学1年で灘を退学し、公立中学校に入って運動部に入り、健康的な笑顔を見せた子どもたちを何人も知っている。一方、残念だけれども負った傷が深すぎて、高校も大学もどこにも通えなくなった子どもたちも。
絵本はその子たちに向けて創った。動画でも話したので見ていただければ幸甚である(こちら)。
木村達哉
追記
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