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ドラゴンズがずっと弱いのは

2023.05.05(金) 02:00

酒井社長にチケットをいただいたので、久しぶりに甲子園球場に行ってきた。阪神と中日の試合だったが、我がドラゴンズは貧打で狭い球場でもホームランが出ないチームなので負けるだろうなと思っていたが(負けたのだけれど)、少なくとも私が球場にいる間は勝っていたので良しとしよう。

子どもの頃はドラゴンズが勝ったとか負けたとかで一喜一憂していたが、さすがに大人になってからは「それはそれ」である。大切なのは私の人生であって、アスリートたちの成績ではない。彼らの頑張りを見て刺激されればそれで良いし、負けてばかりいる人たちを見ると気の毒だが、自分は頑張るぞという気持ちになる。最下位の人生は嫌だ。

50年以上もドラゴンズファンをやっているので今さら止めるわけにはいかないが、徐々に野球から離れつつあるし、結果を見なくなってきた。習慣というのは恐ろしいもので、それが習慣になると勝とうが負けようがどうでもよくなってくる。勝ったら珍しいこともあるもんだと思うようになっている。帽子やシャツはそれなりに持っているのだけれど。

しかし今から思えばやはり落合博満という人は凄かった。いまひとつ殻が破れずにいた森野、荒木、井端といった選手たちを鍛えに鍛えて戦力にしたし、投手の整備もかなり行い、監督をしている間はずっと優勝争いをするチームを作った。

落合野球は面白かった。彼が「面白くない野球をしますよ」と仰ったことを真に受けて「落合野球は面白くない」と言っている人たちはあまり野球を知らない人たちだろう。沖縄の北谷で行われる中日のキャンプでは、選手たちが泣きそうな顔で夕方になってもボールを追いかけていた。みな真っ黒であった。これだけやったんだから負けないという気持ちの土壌を作っていたんだろう。今の中日のキャンプは、逆にみな楽しそうにしている。

先日、DeNAの南オーナーが、集客は会社がやるからチームは野球に集中してほしいと仰っていることを知って感銘を受けた。ソフトバンクホークスの孫オーナーもそうだが、トップがしっかりと仕事のしやすい職場を作っている組織や集団というのは結果を出すものだなぁと改めて思っている。ドラゴンズが弱いのは、監督にしてもオーナーにしても、要するにそういうことなのだろう。

木村達哉

追記
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