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そんなうまい話はない

2023.05.19(金) 08:00

いまだに海外の大学は入り易くて出難いと信じている人が、特に年齢の高い人にそう信じている傾向があるように思われるが、いらっしゃるのを不思議に思う。ネットで調べれば、決して入り易くて出難いというわけではないことがわかるだろう。そんなに勉強しなくても入れるというニュアンスで語られることが多いが、そんなうまい話はない。

特に日本人にとってネックになるのはSATとTOEFLであろう。それなりの対策ができるとは言っても、東大生のTOEFL平均点が約60点という某社のデータを見るに、海外の大学に進むためには東大生の平均レベルではどうしようもない。それを「入り易くて」と仰るならそうなんだろうけれども。

加えて、海外の大学とひと言で片付けることには意味がない。誰でも入れそうなカレッジ(それを大学と呼ぶかどうかは別にして)からオクスフォードやハーバードまで、まさにピンキリである。多くが考える「海外の大学」は後者であろうが、そうなると世界大学ランキングが5位以内の大学を目指すことになるのだから、同ランキング40位ほどの東大と同じわけにはいかないことぐらいはわかるはずだ。

とある有名大学教授がテレビで「海外の大学は入り易くて出難いが、日本もこれを目指すべき」とのたまっていて、思わずバク転しそうになった。それを見た何万人もの視聴者が、そうだそうだと頷いているのだろうか。もしそうだとしたら悲劇というより喜劇である。ちょっと調べてみればわかるはずなのに。

人間は自分が信じたいものしか頭に入らないと聞いたことがある。元教授様の言葉を信じたいのであれば信じればいいが、決して海外の大学は入り易くない。むしろ、インテリジェンス(この場合は「偏差値」と訳していただければ)さえ高ければ合格できる日本の大学のほうがよほど入り易いし、言うまでもなく本を読まず、レポートを書かずにのほほんと過ごしていても卒業できる。

海外の大学に入りたいというのであれば、最低限(ここ大事)英語ぐらいは使いこなせるようにしておかねばならない。高2の終わりぐらいに東大レベルであれば入れるインテリジェンスを身につけること。日常的に、それぞれの大学でやりたい研究、アート、スポーツ、ボランティア等について深める努力をすることである。

木村達哉

追記
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