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私の講演準備は

2023.05.23(火) 12:00

先週土曜日は昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校で講演をし、日曜日はアルク主催のセミナーで90分ほど先生方に向けて話した。相変わらず、人前で話すのはなかなか準備が大変である。学校の場合、生徒たちが私の話を聞くのは初めてという場合が多いので、多少すべったとしてもコウイウヒトナノダナと思ってもらえる。

問題はセミナーである。数多くのリピーターがいらっしゃる。今回の場合にはオンラインセミナーであったので、各自のPCやタブレット、スマホの前で、笑う準備をしていらっしゃるに違いない。芸人ではないしお笑いライブではない。したがって、私が笑いどころを気にする必要などないはずである。コロナ前には200人から300人の聴衆を爆笑させてきた実績が今となっては恨めしい。

加えて、生まれたときから、オチのない話をしてはならないとおばあちゃんから口を酸っぱくして言われてきた。その教えは全身に染み入っているのである。飲んでいるときも、授業をするときも、講演やセミナーで話すときも、オチがないぐらいなら黙っていなければならないのである。授業や講演では黙っているわけにはいかぬ。したがって、たとえ英語の勉強法を話すにしても、小ボケをどこで入れるかを考えるのは講師の重要なポイントなのである。

講演やセミナーで伝えるべき内容や流れを講演ノートに組み立てていく。どのような順番でどのような話をすると聞いている方々が理解しやすいかを考える。書いたあとは、何度もリハーサルを行う。つまり、自分の書斎が講演会場となる。上手くいかなければパワポの順番を入れ替える。画像を別のものにする。文字の級を変える。色を変える。フォントを変える。

オチのない講演が完成すると、次はどこでオチをつけるかを考える。不毛なようでいて、かなり重要なのである。なぜなら一般的に60分や90分も生徒たちが集中して聞けるかという問題が存在するからである。特にこれからの季節はナンデコノジキニタイイクカンデヤルノダという気持ちになる。

教員は生徒のことを思って講演を依頼するのだろうが、聞いている生徒たちは、もし私の話がいくらためになったとしても笑いどころがなければ、きっと地獄の沙汰ではないか。そんな気の毒なことはできない。私も45年ほど前はそちら側にいて、クソつまらない話を我慢しながら聞いていたのである。

来月は講演ラッシュである。山口県や千葉県で生徒たちは私の話を聞く、否、聞かされる。自主参加であればどの程度が集まるのだろうと思いながら、私はいつも話し始める。自己紹介で生徒たちがくすくすと笑い始める。なんとなく上手くいきそうだぞと思いながら、「じゃあ、お勉強の話をするよ」と言うと空気がキュッと締まる。その瞬間を求めて、しっかりと講演準備を、オチをどうするかという問題と向き合いながら、行うのである。

木村達哉

追記
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