リスニング力を伸ばそうとするなら、とりあえずこれをやれ!という動画をアップした(こちら)。以前、小学校の児童からリスニングが苦手で悩んでいますと言われて愕然とした。いや、そりゃあんたちょっと現時点ではまだ無理やでと言いそうになったが、希望を奪ってはいけないのでそれなりの回答をしたように思う。
リスニングができないというのはつまり、脳が英語を認識していないのである。知っている単語ばかりなのに聞けなかったと言っている人であっても、脳が認識できなかったのであるから「知っている単語ばかり」ではなかったのだ。意味なり音なりを間違って覚えていたのであろう。あるいは意味とスペリングばかりに意識が向いて、プロが最も意識を向ける音には鈍感だったのだろう。
数学にしても物理にしても、要は脳が反応しなければ正解できないのだから、いつでも短時間で作動するように鍛えておかねばならない。対策的勉強、つまり短期的勉強ではどうしようもないのである。我々は読書にしても数学的な勉強にしても、習慣として行っていなければ脳はすぐに動かないんだなという意識を持っておくべきだ。
考える力というものもそう。普段から考えていないヒトが、考える授業を標榜する教師の授業中にだけ考える力を発揮できるわけではない。政治家に対して、財務省に対して、学校に対して、友人に対して、自分の人生に対して、様々な事象や出来事に対して、いったい何故なんだろう、今後どうすればいいのだろう、どうあるべきだったんだろう等という意識を常に抱いているからこそ、考える力が身についていくのである。スマホをスクロールさせてばかりいる思考停止君には何もできない。
リスニング力を鍛えようとするなら、したがって習慣とするしかない。英検が近づいてきたからリスニングをやろうとか、高2になったからそろそろリスニングだねとか、その程度の意識しか持っていないヒトが高いリスニング力を纏えるようになるわけがない。リスニング力を涵養するのに苦しみぬいた私が言うのだから間違いない。
ただ、そうは言ってもたとえば高3生や浪人生は、時すでに遅しと言われたくはないだろうから、せめて上の動画で話したとおりのトレーニングを最低でも続けていかれることをお勧めする。大谷選手はおそらく毎日バットを振っている。週に2回とか3回とかのトレーニングで力を伸ばすなんて不可能なのだと知るべきである。
木村達哉
追記
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