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高3全員が国公立大学入学可能へ

2023.06.05(月) 12:20

一昨日の日本経済新聞によると、2022年の合計特殊出生率は1.26だったそうな。生まれてきた赤ん坊の数が77万人。この数字を見て危機感を抱くヒトはそれなりに数学(算数か?)的意識の高い方ではないだろうか。私もこの程度であれば簡単に、そりゃあ電卓の力は借りるけれども、計算ができる。

1.26が継続すれば100年後の出生数は約20万人になる。産む人が減るのだからそうなる。私が生まれた頃の出生数が約200万人だったので、実に90%減。アメリカ合衆国も出生率が落ちているなんて言われているが、昨年は横ばいで、率が1.67、数が366万人。ジェットコースターのように落ちている国は日本だけだ。

東京都の率が特に低い。東京圏に人口が集中していることを考えると、ここが増えれば人口増につながるのだろうが、東京都の率が1.04ではどうしようもない。沖縄や島根が多少は高いけれども、ベースとなる人口を考えると日本全体の人口増にはつながらないだろう。

100年後には私も皆さんも全員あの世にいる。我々の子どもたちは言うまでもなく、孫たちもほとんどが亡くなっている。100年という期間はおよそ3世代が構成員ということだ。2123年には我々のひ孫とその子どもたち、さらにその子どもたちが生活しているということになる。昨年生まれた子どもが77万人だから、100年後の高齢者数はかなり少ないはずである。大人が少ないのだから、子どもが(多子化していなければ)少ないのは当然である。

また、すでにアンダー40歳の女性の数がかなり少ない。日本女性の平均年齢が50歳を超えているのである。したがって、仮に出生率が上がったとしても、出生数は増えないことがすでにわかっている。アメリカ並みに産んでも危機的状況ということだから、海外のセレブリティが日本は消滅すると言ったのもあながち間違いとは言えない。

話をもとに戻す。100年後に生まれてくる子どもが20万人だとすると、彼ら彼女ら全員が、選ばなければ国公立大学のどこかには合格できることになる。国立大学の現定員が10万人弱。したがって、半数ほどが国立大学に入れるのだ。国公立大学の定員を合計すると約25万人なのだから、国公立大学のなかにも定員割れを起こす大学が多数存在することになる。ましてや私立大学の経営が、かなり有名な私学であっても、かなり厳しくなるのは言うまでもない。入試制度はおそらく現在のそれとは全く異なったものになっているだろうが。

異次元の少子化対策と仰る割りにはかなりちまちました政策だと感じている国民が多いのではないだろうか。教員不足然り、少子化然り、教育に予算と関心を割いてこなかった政権による失政なのは明らかである。しかし、それでもせっかく生まれてきた人たちが幸せな人生を送れるように、そして日本を消滅させないように、しっかりと現実を見つめながら、思考停止せずに与野党の政策に目を光らせておかねば本当に日本がとんでもないことになる。

木村達哉

追記
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