英単語学習は読んだり聞いたり書いたり話したりしながら行うのが基本ではあるが、単語集もそれなりに役には立つ。昭和時代から続く『試験に出る英単語』や『ターゲット1900』から、『キクタン』や私の『ユメタン』などの音声を重視したタイプまで、さまざまな単語集が書店に並んでいる。
私が高校生の頃は『赤尾の豆単』と『試験に出る英単語』しかなかったのだから、今の生徒たちのほうが語彙力が高いはず。なのに、決してそういうわけではないのはどうしたことだろう。私の頃はとにかく、単語を知らずして外国語習得もへったくれもないだろうと、燃える闘魂をバリバリに持っている人が多かったように思う。誰もが貧しかったこともあろう。
今はどちらかといえば、安きに流れる(あるいは、流される)生徒が多いのではないか。したがって、英語にしても古文にしても単語などはサザエさんの主題歌ライクに反復していれば頭に刷り込まれていくのである。声を出して歌を覚えるのと同様に、必ず音声に合わせて(真似て)何度も反復するのである。
単語に関して言えば、勉強時間云々よりも反復回数が重視されねばならない。週1回しか耳にしないサザエさんの主題歌でも覚えているのである。毎日同じ100語を何度も反復しているうちに、最低でも50~60語ぐらいは覚えてしまうのではないか。一日3周繰り返すとすれば、一週間で21周反復することになるのだからサザエさんの比ではない。
英語を続けていくかどうかは置いておいて、好きな大学に入るために英語が必要なのであれば、たかだか日に数回の反復ぐらいの努力とも言えない程度の努力はすべきであろう。甲子園に出場したいと願う球児が「今日は3回素振りしました」と言うことはない。たかだか3回程度と思いながら、この程度もできないようじゃダメだなという思いを持って、ネイティブの音声に合わせて声を出すべきだ。
久しぶりに更新したキムタツチャンネルで、英単語学習において家庭学習の際に気をつけるべき点について話した(こちら)。動画でも話したけれども、正しく勉強すれば単語集を使ってリスニングのトレーニングをすることにもなる。英語は粛々と反復しなければならないので、飽き性の人には不向きかもしれないが、私のようなぐうたら人間でもそれなりにモノになったのだから、勉強する価値はあるのではないだろうか。
木村達哉
追記
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