自衛隊はもうずいぶん前から定員割れを起こしている。データを拾うと充足率が90%ほどとある。東日本大震災では自衛隊のおかげで救われた人々が多かったけれども、もしあの時、同時に他所でも自然災害に見舞われていたらとんでもないことになっていただろうと言われている。
毎日新聞にこのような記事が掲載されていた。貼り付けておくので読んでいただきたい。
防衛大学校に進んだ教え子が私のFacebookのコメント欄に、このコラムの内容は必ずしも正しいわけではないと書きこんだ。仮にそうだとしても、これから若い人の数が激減していくのは間違いない。教員だけでなく、警察も消防も官僚も医師も看護師も店員もなにもかも不足していくのである。自衛隊員も例外であるはずがない。
台湾有事が報道され始めて久しい。近い将来、中国が台湾を攻撃すると、そしてそこにアメリカやイギリスが台湾を救うべく参戦するというのが台湾有事である。沖縄の目と鼻の先で大国が軍隊をはべらせているのである。日本が対岸の火事を決め込むことはできないだろう。
ところが先般、アメリカもイギリスも、そしてドイツも、中国が台湾を攻撃したとしても参戦しないと表明した。つまり、彼らの意思表明が正しいのであれば、台湾有事の可能性はほぼなくなった。アメリカが参戦していれば、沖縄や長崎や山口の米軍基地が攻撃されてもおかしくないのだが、それがなくなったのである。
平和慣れしきっている日本にとっては非常に喜ばしいニュースではある。しかし、自衛隊員が不足しているのは事実であり、これからも不足し続けるのである。国防というのはもしものときのために備えるのが極めて重要なのであって、憲法第9条があるから日本は大丈夫というのは呑気の極みである。
戦争中立国であるスイスにも軍隊はある。徴兵制もある。スイス側から戦争に加担することは絶対にないけれども、もしも攻撃してきたらただではおかないぞというのはスイスが明らかにしている姿勢である。
では、日本はどうか。アメリカから高価な戦闘機を買わされ、そのために税金や社保料が激増し国民は疲弊している。異次元の少子化がそれほど異次元ではないとわかった現在、子どもを積極的に増やそうという機運はゼロ。7年後には北海道民全員が消滅する速度で人口が減っている。したがって、どの職業も人不足のために青息吐息である。そして自衛隊の定員割れ。
もしも悪意を持った国がどこかを占領して国土を増やしてやろうと画策しているとする。狙う相手国として、日本は理想的な国ではないだろうか。
この国はどこかで道を間違えてしまったように思われる。長年の与党である自民公明党が悪いのか、官僚が駄目なのか、国民が愚かなのか、あるいはその全てなのか、私にはわからない。わかっているのは、現在の日本社会が人不足によってまさに詰んだ状態であり、頭のいい人たちやカネのある人達がどんどん海外に移住していっているという状況である。
木村達哉
追記
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