暦の上では秋になったというのにクソがつくほど暑い。甲子園球場では球児たちよりアルプススタンドが心配である。私も野球をやっていた身だが、選手より観客のほうが倒れやすいのである。同じ境遇におられる方々にはご自愛いただくことをお願いしたい。
私のほうはというと、福島県教育委員会主催の「アドバンスセミナー」に登壇してきた。福島空港まで県立高校の先生が迎えに来てくださり、会場のコミュタン福島へ。入試では得点源になる英作文の授業を90分ほど(と言いながらいつもどおりに延長して100分ほど)福島の高2生徒たちに行った。
数理哲人先生による数学授業が終わり、第2部の私の授業が始まるまで少し間があったので、教育委員会の先生方と話をしていた。やはり英語を得意にできない生徒が多いらしく、教材にしても授業法にしても考えないといけませんねという、言うなれば日本中で交わされている会話をすることとなった。高校に入ってきた時点で文法を全く知らない場合、もう間に合わないのである。文科省はいつまでエアコンの効いた場所でエラそうに座っているのかと腹立たしく思う。
授業では大阪大学と京都大学の和文英訳問題を使って、いかに簡単な英語で書けるかを披露した。生徒たちは目を丸くしていたけれども、それらの大学でさえも英作文の語彙は『新ユメタン①』レベルがあればおおよそ大丈夫である。
また、自由英作文では論理的に文章を書く方法と一般的な採点基準について時間を割いた。その2つを知っているだけでもかなり武器になるはずである。
参加した生徒たちには最後のメッセージとして、なかなか成績は上がらないという話をした。大谷選手もおそらく最初からHRを打てていたわけではないだろう。うまく打てなくて悩んだ時期も長かったはずだ。私たち英語のプロも然り。なんやねん!と思いながらも、しかし挫折しなかったのでここまで来たのである。
力はすぐには付かない。でも、挫折さえしなければいつかはと信じてやるより他にない。挫折しなければ絶対に上がるとは言わないが、挫折したら絶対に上がらない。それまでは数をこなすのみ。『新ユメサク』の300題の英作文をやってみて、それでも全く上がらなかったら、301題目に向かえばいいだけだ。
木村達哉
追記
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