BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ちいさい秋見つけた

ちいさい秋見つけた

2023.08.21(月) 06:00

8月8日が立秋だったのだから、今はもう秋である。いやぁ、秋めいてきましたなぁとでも言おうものなら暑さで頭がやられた人にぶん殴られるか、あるいは一般的には冗談を言っていると思われるかのどちらかであろう。最近の日本は二季化しているという研究結果もあるらしく、この暑さが終わるとあっという間に冬がやってくる。もう毎年のことだ。

季節の変わり目という言葉も、何年か前までは夏と秋の変わり目、秋と冬の変わり目などに使われてきたのだけれども、この数年は夏と冬の変わり目になっている。つまり、それぐらい夏が長くなり、冬の始まりが早くなったということなのだろう。夏は生きているだけで疲れるので、したがって10月半ばぐらいまでは夕方になるまでシャツに汗がまとわりつく。

が、お盆が終わり、残暑見舞いが暑中見舞いに取って代わるこの時期が子どもの頃から私は好きなのである。ぜんぜん残暑じゃないじゃないかと思う向きもあろうけれども、それでも少しずつ秋の気配を感じることができるではないか。ユニクロや無印良品で秋物が売り出されている。夕焼け空に広がるオレンジ色が夏の赤とは少し違う。ほんの少しずつうろこ雲やいわし雲が姿を現す。

7月の梅雨明けから続いてきた夏の出来事に、日記帳を見ながら思いを馳せるのが楽しい。子どもの頃なら海や山、プールや花火大会など、楽しいイベントがたくさんあった。あと数ヶ月で還暦を迎えようとする私にも、鹿児島や弘前、札幌の思い出が、そして家族や友人たちとの笑顔が交わる瞬間が、鮮やかによみがえる。

それらの思い出が少しずつ秋への準備を始める心地よい切なさを運んでくるのである。残暑を厭い、眉間に皴を寄せてばかりいると疲れる。ほんの少しの秋を探す幸せを感じる程度には心の余裕がほしい。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。週2~3通のメルマガが私から届きます。勉強について、英語について、幸せについて、人生について、お金について、書いています。