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勉強する子を涵養するためには

2023.09.08(金) 07:00

今日から3日間、高知に滞在する。今日明日は高知高校の生徒たちに講演と授業をするのに加えて、教職員研修が行われ、そこで拙いながらも経験に基づいたお話をさせていただく。灘校時代の話も多少はするけれども、西大和学園で10年間奉職している間に、東大と京大の人数が10期生で50人近くになった話が中心となる。

よく進学実績を上げたいとおっしゃるが、要するに学校全体の学ぶ意欲を高めることが重要である。生徒は言うまでもないが、教員の学ぶ意欲が低いままだと如何ともしがたい。超進学校で働いている教員は、生徒たちに学力が負けてしまうと授業が成立しないので、全力で学び続けるのである。担当教科の力は言うまでもなく、こんな大人になりたいと思わせられるような教養を高めようとする。

親も同じ。子どもが本を読まないんですとおっしゃる親には、ではお父さんとお母さんはどれぐらい本を読んでおられますかと問うことにしている。両親が読書家で、夕食後はテレビもスマホもWi-Fiも切って読書に勤しむ家庭がそれなりにあるが、そういう家の子どもは学ぶ体質が幼少期から勝手に培われる。親も学ぶのだ。勉強しない親の子どもが突然変異的に学ぶという事例はほとんど存在しない。

大人は子どものモデルである。大人を見て、自分もああなりたいと思うのである。大谷選手を見て野球を頑張る子どももいるだろう。先日のバスケを見てバッシュをねだる子どももいることだろう。さて、自分の親や教師を見て勉強しようと思う子どもを日本は増やせるのだろうか。

学校からタブレットを持ち帰った子どもたちがゲームばかりしているという話をよく聞く。学校に対して親が、ゲームができない設定にしてくれと懇願する例もかなり多いらしい。が、タブレットは親が購入した親の所有物である。教員が他人である親の持ち物を触ることなどできない。

できることは1つしかない。家のルーターの電源を20時になったら引っこ抜くことである。そして子どものスマホを使えなくすることである。親がしっかりと管理する以外に方法はない。そのうえで、家庭で学ぶ意欲が育ちやすいかどうかを俯瞰視することであろう。この家では集中して勉強できそうにないなという空気が充満しているのであれば、子どもの成績が上がらなくてもしょうがない。

学校も然り。子どもたちに授業を機械的に与えるだけで成績が上がるようなものではない。機械的にノックを繰り返すだけの野球部が試合に勝つことがないのと同様である。ファイティングスピリットに満ち満ちている学校、学ぶ意欲にあふれている学校を作っていかねばならないのである。そういう学校にこそ、学びたい子どもが集まってくるのだ。

木村達哉

追記
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