9.11(きゅうてんいちいち)が何を意味するのかを若い人たちはもう知らないはずだ。22年前、イスラム過激派にハイジャックされた飛行機2機がニューヨークのワールドトレードセンタービルに突っ込んだ日である。ビルは瞬く間に崩壊した。ペンタゴンに3機目が突っ込み、2977名がお亡くなりになった。日本人死者は24名。
ビルの崩壊により、長期にわたる健康被害が発生しただけでなく、この事件をきっかけにアフガニスタン紛争が勃発した。上に死者数を書いたけれども、後遺症で亡くなった方やアフガンで殺された方も含めると、この事件でどれだけの尊い人命が奪われたかわからない。
アメリカ同時多発テロで検索すると当時の動画がヒットするので、若い人たちは視てほしい。アメリカでは今日になると政治家や元政治家を含めて多数の人々が追悼のメッセージをTwitterにアップするので読むことになる。私がもっとも印象に残ったのがMichelle Obamaのツイートである。
Today is a day of reflection and most of all, remembrance, for those we lost on September 11. May we never forget to tell their stories and honor their legacies.と書かれた彼女のツイートに心を震わせた。亡くなった方々のストーリーを伝え、そして彼ら彼女らのレガシィに敬意を表することを決して忘れてはいけないという言葉に、本当にそのとおりだなと感じ入った。
また、と同時に、日本人の政治家は文章作成を官僚に頼り過ぎているため、政治家の言葉は心に残らないことが残念でならなかった。処理水の海洋放出にしても、教育の失敗にしても、決して失敗を認めない無謬主義が永田町と霞が関を跋扈していることに加え、言葉が形式的であるために国民にちっとも響かないのである。
ミスをしてはならないために無難な言葉を選んでいるのだろうけれども、マイクの前に立って堂々と演説を行う海外の大統領に比べ、日本の政治家たちは必ずメモに目を向けるためにしょっちゅううつむくことになる。いつか日本の政治家たちが言葉で我々に感動を与えてくれる日は来るのだろうか。その点で言うなら、賛否はあるものの小泉純一郎氏が最後の政治家だったように思われてならない。
木村達哉
追記
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