さくらを八重瀬と南城市の海へ連れていった。沖縄にこれだけいるのにまだ知らない場所がたくさんあることを思い知らされる。この画像は具志頭の海。海水に浸食された巨岩は『天空の城ラピュタ』を想起させるもので、近くに立つと畏怖の念にかられる。近づくとバサバサッと鳥たちが飛び立った。
南城市は琉球の創世神であるアマミキヨに由来する聖地がここかしこに点在する場所だ。斎場御嶽(せーふぁうたき)が最も有名な聖地だけれども、私はなんといってもヤハラヅカサが大好きだ。海から突き立つ小岩はアマミキヨが神々の住むニライカナイからこの地にやってきた第一歩を記したものである。こんなところでさくらを遊ばせていいのか?と思う。
月曜日に那覇空港ではかなり多くの観光客と一緒になったが、こちらの海岸にはほとんど人がいらっしゃらなかった。おそらく北谷や恩納などの西海岸に集中しているのだろう。
リクルートの調査研究機関であるじゃらんリサーチセンターの調査によると、沖縄来訪者の総合的満足度の全国順位が昨年2位だったものが今年は9位となったと報じられた。「とても満足」「やや満足」を答えた人の割合は88%(昨年は92%)で、3位以下に順位を落とすのは初めてのことである。
私も10年ほど前までは観光客だったのでわかるのだが、資本のあるお店がカネを払ってガイドブックに掲載してもらうので、そういったお店には人が集まりやすい。ただ、そういったお店の多くは東京資本(つまり、働いているのは地元の人であってもお店は東京の企業の所有物)であり、現地にはお金が落ちない。
そういったお店は西海岸側と国際通りに集中しているので、したがって観光客はそういった場所で沖縄を楽しむ。それはそれでいいのかもしれないけれども、もっとたくさんの沖縄を知ってもらいたいなぁと思う。青の洞窟もいいのだろうけれども、もっと美しい場所はたくさんある。観光客のために作られた場所だけで満足してほしくないなぁと思う。
八重瀬町や南城市といった太平洋側にも見どころはたくさんある。また、うるま市や沖縄市などの昔ながらの沖縄も見てほしいなとも思う。八重瀬や南城市、うるまや沖縄市はもっとそういったところのプロパガンダをすればいいのになぁと思うけれども、宣伝が下手なのか、観光客にはあまり来てほしくないのか、私にはわからない。
先日、ある沖縄の企業の社長とご一緒したときに、順位が9位に落ちたことを嘆いておられた。基地問題もいいけれども、もっと人々の暮らしを考えてほしいのですが、と。観光客に経済が依存しているのはコロナ禍に店を閉めたお店が極めて多いことからも自明である。沖縄もいいけどもう見るところがないよねと県外の方々から思われないように、さまざまな沖縄を積極的に紹介すればと思っている。
木村達哉
追記
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