BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 琉球王国が消えた日

琉球王国が消えた日

2023.09.14(木) 09:45

メールマガジンで書いたとおり、今日9月14日は琉球王国が琉球藩になった日である。1609年に鹿児島の薩摩藩(鹿児島)の島津氏が琉球王国に侵攻して以来、琉球王国は日本の支配下におかれたのだけれども、加えて明に対しても朝貢関係にあった。公文書には「琉球王国は中国と日本に両属していた」とある。

1871年の廃藩置県の際、琉球王国は薩摩藩の傘下にあったのだけれども明への朝貢を止めないので、日本は琉球を完全なる支配下に置こうとしたのである。日本政府は翌1872年に正式に琉球王国を琉球藩とし、さらに7年後の1879年に琉球藩を廃止して沖縄県を設置すると発表した。

この一連の流れは「琉球処分」と呼ばれている。日本史の教科書に取り上げられているのかどうかは存じ上げない。今日は琉球王国が琉球藩になった日なのである。記念日とするような出来事ではなく、むしろ当時の琉球王国の国民たちにとっては屈辱だっただろう。

琉球藩になってから約150年が経ち、沖縄はすっかり日本らしくなった。それがいいことなのかどうかはわからない。私が沖縄で活動し始めてからもずいぶん変わった。「てーげー」を失い、日本らしい窮屈さを随所に見せている。「うちなー時間」もほぼ姿を消した。時間を守るのはいいことだけれど。

海は汚れていき、ここかしこが埋め立てられていく。県外企業が跋扈し、雨が降るとイオンやパルコという東京企業に人々は集中してカネを落とす。沖縄らしい自然が消え、観光客を惹きつけるためのテーマパークばかりが作られる。これからも変わらないのは海から吹く風と、そして朝から夜まで続く大渋滞だけかもしれない。

私は沖縄が大好きだ。そりゃこうしたほうがいいのになと思うことはある。教育などはその最たるものだ。人材の育成なくして県の興隆と成長はあり得ない。ただ、沖縄は美しい自然と「てーげー」精神と、そして琉球と日本とアメリカと中国とどこだかわからないけれどもどこだかとの文化が入り混じったチャンプルー文化とが維持されればいいなと思う。

約150年前の今日、琉球王国は消えた。しかし、沖縄は消えてほしくない。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。週2~3通のメルマガが私から届きます。勉強について、英語について、幸せについて、人生について、お金について、書いています。