本日も明星中学校高等学校で講演を3本行い、英語科の先生の授業を見学して講評を述べて帰宅しているところである。講演、午前は中学生に対して一本、そして午後から高3生と高1・2生のを一本ずつ行った。授業見学には神奈川大学の久保野先生もいらっしゃっていて、久しぶりやねぇと笑顔を交わし合った。
アクティブラーニング云々と言い出してから、あまり意味のないペアワークやグループワークを授業に取り入れる先生が増えたように思う。夏に開催した英語教師塾でもそうだったが、このペアワークに何か意味があるか?と首をかしげるようなものが多い。
ペアワークをするためには、生徒たちの力がそれなりに高くなければならないのは言うまでもないし、それは文科省の官僚も言っていたことだ。成績が悪いもの同士が話し合っても意味がない。例えば、英語のプロ同士がひとつの英語の文章について話し合えばそれなりの結論も出るだろうが、中1同士がやっても全く意味がないのはご理解いただけるだろう。
アクティブラーニングの意味を、その点で言えば、はき違えている先生方が多いと思われる。教員が一方的に説明だけするような授業は良くありませんねと文科省が言ったので、それなら活動を取り入れればと考えたのであろう。が、大切なことは活動をすることではなく、子どもたちの力を高めることである。英文法の理解などは、教員が解説しなければ冠詞の違いすらわからない生徒が大量発生する。
解説は極めて重要なファクターである。
野球のコーチがいっさい説明せず、ひたすらバッティング練習を選手にさせていても、打てない選手はいつまで経っても打てるようにはならない。打撃理論の解説(座学)をして、しっかりと理解をさせて、その上で練習をさせるのである。それでもすぐにはできるようにならないので、欠点を指摘するためにさらに説明を加えるのである。解説は必要不可欠である。
今日のような授業見学を通じて、若い先生方の授業が上手くなっていくのを見るのは楽しい。が、見学する側とすれば、厳しい講評を述べることになる。通り一遍のことを言っていても先生方のスキルが伸びることはないからである。同じような機会をいただくことはこれからもあるだろうが、いつもどおりに思ったことはしっかりと伝えさせていただき、いい先生になっていただこうと思う。
木村達哉
追記
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