9月28日。伊丹空港から羽田空港へ、そして庄内空港へと飛んだ。飛行機を怖がっていたのが嘘のように飛行機三昧である。朋友のMr. Evineは飛行機が嫌いだが、飲むたびに大丈夫大丈夫と励ましてばかりいる。10年ほど前までは福島に行くのも新幹線を使っていた私が言うのだから間違いない。多少揺れることもあって、そのたびに覚悟を決めねばならないけれど。
酒田西高校の玄関をくぐるのは3回目。入ったところにウェルカムボードが。おそらく生徒が作ってくれたのだろう。人が自分のために作ってくれたものは大切にしたい。これを書いてくれた人にお礼をと申し上げ、控室に入った。今日は講演が1本と人生の反省会(要するに先生方との懇親会)が1本だけである。
生徒たちには英語の話だけでなく、どうして人は学ぶのか、学ぶことでどういう「いいこと」があるのかについて話した。打算的に学ぶのも悪くはないのだろうけれども、学ぶことで自分が成長し、その結果として人々の笑顔につながるのであれば幸せである。学びというのは自分と他人と、そしてその結果として社会を支えているのである。
生徒たちは60分の講演を大きく頷きながら静かに聞いていた。こちらは芸人ではないので意識的に笑いをとることはないが、関西弁の為せる業なのか、生徒たちは時に大笑いしながら聞いていた。控室まで質問にやってきた女子生徒たちが「こんなに面白い講演は初めて」と喜んでくれたのは嬉しかった。
勉強という言葉は少し堅いように思う。英語や数学や物理の勉強を机に向かってするイメージがある。学びという言葉に言い換えると深みが出るのではないか。沖縄や福島の人たちと話すことで学びがある場合もあるだろう。いずれにしても、私たちは勉強しなければならないのである。
人は学びや勉強を通じて成長する。勉強はあまり得意ではないという人でも、おそらく勉強しているのである。なにも勉強していないという人はあまりお会いしたことがない。その点で勉強が苦手という人はいないように思われるがどうだろう。
いずれにしても酒田西高校の生徒たちが自分の学びを見つけ、そして勉強を継続し、各個人がレベルを上げて他人に貢献する人材に育つことを強く願う。そうなれば今日の講演は成功だったと言えるのではないだろうか。
木村達哉
追記
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