今日から10月。午前中は九州学院高校の生徒たちに講演と授業。日曜日ということもあって、どれぐらいの生徒が登校するのかなと思っていたら、かなりの数が登校した。なかに手製のウェルカムボードを持ってきてくれた女生徒がいて驚いた。

ひとりで5時間かけて作ってくれたらしい。布にフェルトを貼り付けたウェルカムボード。持って帰って額に入れて飾るわなというと思い切りの笑顔をくれた。こういう生徒がいる学校は素晴らしい。講演と授業では聞く姿勢よく、頷きながら適切に笑いながら、そして深刻な日本の現状を憂いながら、耳を傾けてくれた。

午後の教員向けセミナーではリスニングとスピーキングの力をつけるための指導についてお話をした。昨日のブログに書いたとおり、語彙力は必須条件。ただし、十分条件ではない。共通テストのリスニングで満点近く取るためには、問題集を１冊こなす程度ではまったく不十分であるし、ましてやたかだか英検２級対策程度じゃ共通テスト対策としてはほぼゼロに近い。

参加された先生方には一緒にリスニングおよびスピーキングのトレーニングを、ChatGPTやGoogle BardなどのAIを使いながら行った。多少でもお役に立ったのであれば幸甚である。

なかに、実は私もリスニング力には自信がないんですという先生がいらっしゃった。こういうのは正直なほうがいいのだ。駄目なのは大して力がないくせに勉強しないことである。自分が駄目だなと思ったらトレーニングすることですねと申し上げた。教材は生徒と同じものでも構わないので、ただし毎日しっかりとトレーニングすること。聞き流しではなくて。

来年またその先生にお会いしたときに、ずいぶん聞き取れるようになりましたと笑顔を見せてくださることに期待するとともに、私自身も力を落とさないようにしないといけないな。えらそうに人さまに講演をする立場の人間が、実は大したことがなかったなんて喜劇的なことにならないよう、日々声を出し続けよう。

木村達哉

追記
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