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サンデー毎日

2023.10.07(土) 08:00

10月7日。世間では今日から3連休らしい。私の場合は2年前に宮仕えを辞めて、毎日が日曜日である。専門用語では「サンデー毎日」と呼ぶのだが(嘘)、フリーになると勤め人時代よりも働かねばならないのだなということがわかった。

私の周囲には教育系企業経営者やフリーランス、塾予備校経営者がたくさんいらっしゃるが、どの方も皆さんそうおっしゃる。朝8時から夕方まで縛られるのが嫌で独立したら、24時間365日が仕事なのである。ブラックなんてもんじゃない。

加えて、私の父のように「人に頭を下げるのは癪だ」というシンプルかつアホな理由で独立する向きもあろうけれども、独立した瞬間、人に頭ばかり下げている人生がスタートしたことに気づくことになる。そして人を雇うことの難しさを嫌というほど味わうことになるのだ。わはは!

ただ、灘校時代の年収が吹っ飛んだのでそのぶんの不安定感は確かにあって心許ないのだけれども、そのカネを補うために365日働かねばならないのではない。独立するとやりたい仕事だけをやっていくことになるのである。やりたいことが自分でも呆れるぐらいあるものだから、結局は寝ている時間も惜しいという状態になるのだ。他の人たちも似たようなものではないだろうか。

私の場合は物書きなので、企画書を作っている途中からとんでもなくわくわくし始める。この本はどこから出そうか、出してくれる版元はあるのか、アルクか、三省堂か、それとも…そんなことを考えてばかりいるのである。そして書く速度が企画書を作る速度に追いついていないため、渋滞を起こしては編集者の眉間に皴を刻むことになる。

ついでに言うなら、本を出してくれるのであればこんな頭ぐらい床に血がにじむまで擦りつけても構わない。また、手伝ってくれるスタッフには頭が上がらない。結果的に、私の頭が一番低い位置にあるということになる。

サンデー毎日なのに休みがないのは間違いないけれども、朝から夜寝る瞬間まで好きな本を書き、好きな活字を読んでいられる幸せを手離したくないなと思っている。このポストを書き終えたら、読みかけの向田邦子を開くとしよう。

木村達哉

追記
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