BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 佐藤栄作と沖縄と

佐藤栄作と沖縄と

2023.10.08(日) 09:00

10月8日。今日は佐藤栄作氏がノーベル平和賞を受賞した日である。私が生まれた1964年から、沖縄が日本本土に復帰した1972年までの長きにわたって内閣総理大臣を務めた政治家である。私にとって最初の首相が佐藤栄作氏なのだ。佐藤氏と沖縄との関係は深い。

1965年に那覇空港で「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、日本の戦後は終わらない」との声明を発したのは有名である。非核三原則を表明していた佐藤元首相だけれども、沖縄を本土復帰させるために、アメリカが沖縄に核を持ち込むことを認める密約を交わしていたことがわかったりなどして批判はされた。支持率も高くはなかったという。が、在任中に小笠原と沖縄の返還を実現させたのだから、長い目で見れば高く評価されてもいいように思う。

ただ、残念ながらご存じのとおり、沖縄にはたくさんの米軍基地が残された。「本土並み」という言葉が虚しく響く本土復帰であったことは否定できない。それに関してはポスト佐藤の失敗と言わざるを得ない。

1995年に起こった米兵少女暴行事件を覚えておられるだろうか。アメリカ海兵隊員2名と海軍軍人1名が沖縄の女子児童を拉致したうえ集団強姦した事件である。それでもアメリカに対して日本が強気に出ることができなかったのは、アメリカを親会社とする「子会社日本」の弱腰外交の為せる業であろう。

現在、宜野湾市にいる私の頭上ではヘリコプターとオスプレイが飛び交っている。北谷では戦闘機が爆音を立ててサンセットビーチを見下ろしながら飛んでいることだろう。佐藤氏がもし今も首相を続けているとしたら「米軍基地がなくならない限り、日本の戦後は終わらない」と言ってくれるのだろうか。それとも。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。週2~3通のメルマガが私から届きます。勉強について、英語について、幸せについて、人生について、お金について、書いています。