10月10日。今回の沖縄ステイはラジオの収録以外は何も用事がなく、さくらの散歩以外はほぼ外に出ずに執筆活動と読書に勤しんでいた。ビールをあおるわけでもなく、島酒に酔うこともなく、毎日が小学生の絵日記にもならない日々であった。これはこれでいい。
今日の「キムタツ✕ひーぷーのオキナワ・ジモトーク」は宮沢和史さんがゲスト。言わずとしれた「島唄」の宮沢さんである。甲府出身の自分が「島唄」を歌っていいのかと悩まれたそうだけれども、ある方のひと言が決め手となり、今に至っているとおっしゃる。
沖縄市に「みやんち」というお店を出されていて、先日訪問し、沖縄そばを堪能した。食後のコーヒーは宮沢さんが奢って下さった。「島唄」はアルゼンチンでも大ヒットしているが、現地の歌手がたまたま耳にした同曲を勝手に歌っているという。その歌手も凄いが、その歌手に会いに行った宮沢さんも凄い。今はブラジル音楽に興味を持ち、たびたび現地を訪れるとのことであった。それ以外についてはラジオを聴いていただきたい。
「島唄」を出したとき、沖縄の人たちにぶった切られたとのこと。山梨の人間が沖縄で儲けようとしていると。それを聞いて思い出したことがある。私も沖縄でNPOを作ったとき、どうせ儲けたいんでしょと言われたのを。あなたの学校の生徒たちが全員『新ユメタン』を買ってくれても片道の飛行機代にもならないんですよと訴えたが、聞いてもらえなかった。
そういう話を宮沢和史さんにすると、ひーぷーさんが「沖縄には一種の試験があるんですよ」と仰った。試験…この人は沖縄を本当に裏切らないのだろうか、この人も沖縄を踏み台にしようとしているんじゃないか…それを試す試験だとすれば悲しい。悲しいがしかし、沖縄は要するに、そんな目に遭ってきたんだろう。
宮沢さんの覚悟は、私が言うことではないけれども、比類のないものだと感じる。それと同時に私の覚悟はどうなんだろうと収録中は考えてばかりいた。NPOでは儲けようもないのだけれども、物欲しそうな表情をしていないだろうか。沖縄の試験を、宮沢さんが合格した試験を、私は通過したのだろうか。そんなことを考えながら話していたらとんでもなく長い時間がスタジオに流れていて、2週分では済まなくなった。
木村達哉
追記
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