10月21日。アルクの植元君はどうしてあんなに電車や飛行機に乗った瞬間に幸せそうな顔で眠りに落ちることができるのだろう。飛行機でけっこうな時間を過ごして今回の目的地に到着したのだが、一睡もできなかった。植元君になりたいと思ったのは初めてである。
成田空港を出たのが20日の夜。到着したのが20日の朝。つまり、今年の10月20日は確実に24時間以上あったことになる。このわけのわからないカレンダーと闘うためにはやはり機内で寝なければならなかったように思う。空港に着いたら悪い汗が出た。
子どもの頃から宵っぱりで、何時になっても寝なかった。寝るのがあまり好きではなかったのである。布団の中で妄想に、この妄想の中身はひどく酔いでもしないとこっぱずかしくてひと様には言えないが、どっぷりと何時間でも浸っていた。寝ない子どもだったのである。背が伸びなかったのはそのためか。
大人になっても変わらず、布団に入ってからあれやこれやと考えてばかりいる。世間を論じるほどの大層な頭脳知能があるわけではないので、考えると言っても探究活動の具にもならないことばかりであるが、私にとってはそれでも考えるに値する具材なのである。
どうして日本人は外国人と話すより英検や模試を好むのだろう、どうして愛する人に愛する事実を告げるのは当たり前なのに戸惑うヒトがいるんだろう、どうしてあんなにヒトは怒ってばかりいるのだろう、どうして「いいね」が少ないと寂しい気がするのだろう。実にくだらないことばかりである。
論理的に理由を考え抜いて出した答えをさらに考え、論理性が十分ではないなと思ったら気になってまた最初から考え始める。考えるためには知識と情報が必要なので、起き出して本を読み始めることもある。そんなことをしていると、ますます頭が冴えてくるのである。生来の癖なのでNothing I can do.なのかもしれないが、飛行機の中でもずっと考えてばかりいた。たまには植元君になりたい。
木村達哉
追記
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