BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 翻訳家の山本史郎先生とご一緒して

翻訳家の山本史郎先生とご一緒して

2023.11.03(金) 11:00

11月3日。英語を教える仕事を33年間続けてきたが、教員の場合には「教える」のが仕事であって「英語を使っている」という感覚はない。むしろ、私の友人で一般企業に勤め、海外の方々と交渉を持っているのがいるけれども、そっちのほうが「使っている」ように思う。

朋友の柴原智幸先生は通訳者であるので「使っている」と言っていいように思うし、先日のアメリカ往復でお世話になったフライトアテンダントさんたちも「使っている」のは間違いない。予備校で教えた経験もあるが、英語を使っているなぁという感覚はまったくなかった。

ただ、物書きとしては英語で文章を書き起こさねばならないので「使っている」感覚は常にあり、特に絵本『あなたのちからになりたくて』のようにキャプションを日本語と英語の両方で書くとなると、それぞれの言語の特性が異なるものだから直訳的英作文ではどうしようもないという思いを強く持った。日本語と英語の知識をフルに「使っている」感覚が強かった。

創学舎高校校長の五十嵐雅子先生の取り計らいで、翻訳家の山本史郎先生(東京大学名誉教授)とご一緒する機会を得た。『赤毛のアン』『ホビット』『アーサー王物語伝説』『ディケンズのロンドン案内』『アンデルセン・クラシック』等の翻訳で知られる山本先生と中華街で会食をとり、英語教育や東大の英語について4時間ちかく話を深めることができた。

和訳と翻訳の違い、東大英語の採点、英語教育界の問題点など、さまざまなお話を伺うことができたのはいい時間となった。ついには、一緒に本を書きませんかと言っていただいて光栄の極み。ご縁を繋いでくださった五十嵐先生には心より深く感謝申し上げたい。

生きて60年にもなると友人や知己がどんどん減っていくと言われるが、皆さんのおかげで新しい方々との邂逅の機会が増えていくのはありがたいことである。山本先生とのご縁がこの先どのように発展していくのかはわからないけれども、大切に育てていきたいなと思っている。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。週2~3通のメルマガが私から届きます。勉強について、英語について、幸せについて、人生について、お金について、書いています。