春日部共栄中学校高等学校の生徒たちに講演をしたのは今月7日。その春日部共栄の先生からご連絡を頂戴した。各クラスの学級文庫に私が創った絵本『あなたのちからになりたくて』を入れるために購入下さったとのこと。

灘校時代に退学していった子どもたちに、もっと気楽に生きればいいのにと思いながら創ったのがこの絵本である。気楽に生きるのも難しい世の中なのかもしれないけれども、借金を6000万背負った経験を持つ私だから伝えられることもあるかと思って創ったのである。

赤の他人である教員だからこそ伝えられることもあれば、そういう立場だからこそ伝えられないこともある。目の前に苦しむ生徒がいる場面ではなかなか伝わらなかったなという気持ちを持って退職したものだから、物書きになって最初に創りたかったのである。

保健室になら入れる不登校生徒のために、図書館ではなく保健室に私の絵本を置いてくださっている学校も多いと聞く。なかにはこの絵本を読んだあと、教室に戻っていった生徒もいるとのこと。全員のちからになることはないかもしれないが、ひとりでも多くの子どもたちに届けばと願う。

気楽に気楽に。サインをさせていただく際にはこの言葉を好んで書くが、私たちはもっと気楽に生きていいのではないだろうか。せっかく生まれてきたのである。笑顔で生きて、笑顔でさよならを言う人生を生きていきたい。

木村達哉

追記
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