12月15日。県立福島東高校で『ユメブン』を使っている生徒たちに講演3本。コロナ蔓延でオンライン講演を依頼されていた時期には日に3本の講演をすることも珍しくはなかったが、対面での講演で同じ話を3回するのはなかなかない経験であった。
とは言っても生徒たちにとっては1回きりの講演であるからして、どの回も心を込めて話した。1回終わるたびに生徒たちが私の前にサインをくれと行列を作った。次の授業が始まってもサイン会が終わらないのでこちらはハラハラしたが、学校が何も言わないのだから問題なかったのだろう。
彼ら彼女らがしっかり英語を勉強してみようと思ったのであれば3回の講演などなんてことはない。勉強が嫌い、英語が嫌いと言ってばかりで書物に向かわない者に比べれば、大学で学び続けるぞと考えている福島東高校の生徒たちである。きっと腹をくくって自分を鍛えてやろうと思ったはずだ。
英語だけではないが、言語をあるレベル以上にしようと思ったら文法と語彙を徹底することである。それ以外にはないと断言してもいい。それらを鉄板にしながら、インプット(読む聞く)の量を増やすのである。
スポーツに例えるなら、筋トレやランニングが語彙と文法。徹底して筋肉や体幹を鍛えながら、日々の練習に取り組む。素振り、ドリブル、サーブやレシーブなどに時間を割く。筋トレとランニングは毎日行いながらも、それらの練習にも取り組むから強くなるし上手くなるのである。
英語も然り。語彙と文法を軽視しているのは筋トレやランニングをしないスポーツ選手と同じである。なかなか成績が上がらないと嘆く生徒たちの大半が、語彙と文法の知識や理解の不足であろうし、もしそうでなければインプット量があまりにも足りないのである。
福島東高校の生徒たちが、私の話を肝に銘じ、『ユメブン』に出てくる1000以上の英文を理解したうえで日本語に直し、さらにはその日本語を英語に戻すトレーニングに励めば、間違いなく英語の使い手になれるし、英語ができないと嘆くことはなくなるだろう。英語ができるようになるというのはつまり、そういうことなのである。
木村達哉
追記
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