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劇団o.z.eの「ビューティフル・サンデイ」を観て

2023.12.17(日) 04:00

12月17日。ラジオ番組のバディである真栄平仁さんプロデュースの「ビューティフル・サンデイ」を観た。役者さんの表現力というのは凄いものだなぁと感服ばかりしていた。沖縄県外の方はご存じないかもしれないが、劇団o.z.eはもっと評価されるべきである。

観劇しながら、自分の人生を考えていた。幼少期からぜん息に怯え、バッグやポケットにはたくさんの薬が入っていた。人前で錠剤を何粒も飲むのは恥ずかしく、当時はペットボトルなんてものはなかったものだから、学校の冷水器の前に立つ直前に口に放り込んだ。

医師から二十歳まで生きられないかもしれないと言われた。あまり動揺しなかったのは自分でもそうだろうなとうすうす思っていたのだろう。点滴をするために夜中に何度も病院に運ばれていた。まともな就職などできるわけがないと思われた。

もしも大人になれたら、物書きになって自由に本を読もうと考えた。学校に通って先生に怒られる日々が、大人になると職場に通って上司や同僚に怒られる日々に変わる。そんな人生なんて地獄そのものだと考えていたのである。

大学時代、驚くほど発作が静まる吸入薬が世に出た。そのおかげで普通の生活が送れるようになり。徐々に「物書きになって」という小さい希望すら忘れた私は、人並みの就職をし、やはり想像したとおりに上司や同僚に怒られる日々が始まった。

灘校はいい学校だったが、それでももう我慢はいいかなと思う出来事があった。小学生時代から思い描いていた「物書きになって自由に本を読」む日を始める時をいつから始めるかを自問自答しながら過ごし、二年前に実行に移した。数百万の給料は消えたが、自由になった。

劇団o.z.eの「ビューティフル・サンデイ」の上演中、こんなことばかり考えていた観客は私ひとりだったかもしれない。生きるって決心と選択の連続なんだよ。決心したはずなのに、そして選択したはずなのに、結局は実行できなかったりするけれど。人生ってそういうことなんだ。私は実行まで何年もかけてしまった。そんなことを思いながら俳優さんたちの素晴らしい演技を観ていた。

俳優さんたちと、素晴らしいプロデュースをしてくださった真栄平さんには心からお礼申し上げたい。観劇して改めて思ったが、これからも私は、私の決心と選択を、そして自分との約束を、実行に移すべく、しっかり生きていこう。

木村達哉

追記
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