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読書と論理的思考力

2024.01.09(火) 09:00

1月9日。明後日から山形ツアーが始まるなんて書くとミュージシャンみたいだが、県立新庄北高校で二日連続で講演と授業をし、13日に毎年恒例となった山形県の先生方との指導法勉強会がある。今回のテーマは「よむ」となっている。資料を作成する一日となった。

立花隆先生が、すべてのインプットはアウトプットを以って完結するとおっしゃった。英語にしても日本語にしても文章を読む(インプット)だけで終わることはないのであって、その内容をレポートにまとめたり人に話したりするアウトプット活動が伴ってはじめて「読む」が終わるのである。

読書中は、それはどんな内容の本なのかという問いに簡潔に答えることを想定しながら、つまりかなり深く考えながら文字を追うことになると言えばわかりやすいだろうか。その点で、文章を読むというのは受動的な活動ではない。

英語の文章を読む際にも然り。設問に答えるために読むことが多い受験生だが、大学に入ったあとには設問がない文章を読むことになる。何冊かの本を読んでレポートなり論文なりを書くと、読書経験が不足しているとどう書いていいのか皆目わからないだろう。

文章を人に説明するつもりで普段から書物なり新聞なりを読むことである。小説であれノンフィクションであれ、同じことだ。さすれば読書中は、どうして著者はこんな文体にしたのか、どうしてこの登場人物はまた雪国に戻ったのか、どうして、どうして、どうしての連続であることに気づくだろう。

そういう読書をしている人は論理的思考力が確実に高くなっていく。読むというのはつまり、そういうことである。山形ではそういう話をさせてもらおうと思っている。

木村達哉

追記
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