自己啓発の本ってあまり読まないんです。どの本にも書いてあることはほとんど同じですからね。それにそういう本を手に取るときって、自分が弱くなっているときです。根本的なやる気問題を解決しなければ、そういった本を読んだからといってもあまり意味がないように思います。
33年間の教員生活で 2000人以上の生徒たちと面談をしてきました。やる気が上がらない系の相談が一番多かったように思います。「めちゃくちゃ努力していますが、数字が上がりません」というのはレアケースでした。めちゃくちゃ努力すれば成績が上がることは誰でもわかっているんですよね。その「努力すれば」はわかっているのに、やる気にならないわけです。
意識を変えるのではない!
私は24歳で教員になってから生徒たちに言い続けてきたのは、やる気を上げるためには習慣を変えることが肝要だということです。意識を変えろ!とか言いますけど、意識なんか一時的に変えたってあまり意味なくないですか。そんな急に変わったものなんて、またぞろ元に戻ってしまいます。それでは意味がありません。
むしろ意識を変えるためにも、やる気を上げるためにも、今の習慣を変えなければいけません。どうしてやる気にならないのかを考えると、たとえばスマホをすぐに見てしまうとします。だとすれば、「スマホをすぐに見る」という習慣を止めることです。帰ったら居眠りしてしまうのが良くないのではないかと分析します。だとすれば、「居眠りする」という習慣を止めることです。
行動を分析し、原因を探れ!
前提となるのは自身の行動を分析すること。そしてやる気が出ない原因となる生活習慣をすっぱりと止め、逆にポジティブな習慣を身につけようと努力することが大切でしょうね。読書をする気にならない人は、本を開く習慣がそもそもないのです。あるいは書店さんや図書館に足を踏み入れる習慣がないわけです。自分の行動をよく考え、分析し、そして新しい習慣を形成することです。変えるのは意識ではありません。意識なんて変えたって、あまり役に立ちません。変えるべきは習慣なのです。
木村達哉拝