2月14日。バレンタインデーの起源は269年2月14日に処刑された司祭ウァレンティヌス(カトリック教会では聖バレンチノ)司祭殉教者)と言われている。ウァレンティヌスについては諸説ある。当時のローマ皇帝のキリスト教迫害下において熱心に宣教活動を行っていたので処刑された説が有力である。
が、皇帝クラウディウス二世が戦士の士気の低下を恐れ、彼らの結婚を禁止したのに対し、ウァレンティヌスはそれに背いて恋人たちの結婚式を執り行ったために処刑されたという説もあって、私個人としてはこちらを勝手に支持している。
いずれにしてもチョコレートだのホワイトデーだのとは無関係で、それは日本のチョコレートを売りたい人たちが勝手に作り出したものなのだろう。現にアメリカ人の友人に聞くと、男が女にプレゼントするんだよと教えてくれた。フランスではカップルだけではなくて家族間でプレゼントし合うらしい。そっちのほうが日本式よりずいぶん平和で、なおかつ合理的である。
小学生の頃、初めてクラスの女子生徒からバレンタインデーにラブレター付きのチョコレートをもらった。もらったというよりも自宅のポストに入っていた。見つけたのは母だった。典型的大阪のおばちゃんにそんなものが見つかったらこうなるという予想通りの展開となったのは言うまでもない。
チョコレートは家族で平等に分け合った。「クラス写真を持ってきなさい」という母の命令に背くわけにもいかず、夕食時にその写真とラブレターは卓の中央に据えられ、夕餉の団欒のネタとなった。「寺内貫太郎一家」がテレビでは流れていた。
翌日にはクラスの女子からハヤクヘンジヲシテヤレ攻撃を受けた。辛かったのは自分が好きだった女の子からも「どうするの!」などと詰め寄られたことである。小学校6年生で早くもモテ期を迎えたが、それ以後、そっち系は右肩下がりである。
間食を禁止されている身であるので家人は大谷君のTシャツをプレゼントしてくれた。ホワイトデーには彼女がしょっちゅう失くす物をプレゼントするのもいいかなと思っている。贈り物をし合うのは悪い慣習ではないが、義理だの本命だの言われると興覚めする。いまでも中学生や高校生にとってはそれなりに緊張する日なのだろうか。
木村達哉
追記
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