3月14日。アルク編集部Kさんから連絡があり、『東大英語リスニングBASIC』と『ユメリス』が採用になったらしく、キムタツ事務所スタッフ一同でええじゃないか踊りをくり広げている。狂気の宴である。アホの集まりである。本が売れない昨今、それぐらい嬉しいのである。
『東大英語リスニングBASIC』は受験生からの声に応えて作った本である。いきなり『東大英語リスニング』では難しいので、徐々に長くなっていくような本があれば紹介してほしいという声があったのだが、そういう本がなかったので自分で作った。80語から500語まで、スクリプトが徐々に長くなっていく。
共通テストには対応できるが、長くなると集中力が持たないという受験生は少なくない。外国語学部や外国語大学の受験生からも感謝の声が届いているが、お役立ていただければ幸甚である。灘校の教え子たちは高3になる前(高2秋以降)に使っていたように覚えている。
『ユメリス①』はCEFR A2レベルということだから(CEFRと英検は無関係のはずだけれども)英検でいうと準2~2級というところか。ただ聞いて解答するだけではなく、音読を何度も何度も繰り返し、最終的には中に出てきた表現を使って英語を話せる(書ける)ようにという流れになっている。リスニングをリスニングだけで終わらせるのはもったいない。スピーキングに結び付けてほしくて作った本である。
本書は2月にも増刷になったのに、二カ月連続での増刷をいただくことになった。書店では売られていない学校と塾の専売品であるが、採用してくださっている学校と塾が多いことに著者として感謝するとともに、単に与えて問題に答えるだけではなく、基本的な通訳トレーニングを行ってほしい。
AIがあるのだから英語なんて要らないという声も、それほど大きくないにしても、あるらしい。が、私はAI経由ではなく、自分の声で海外の人たちと話をしたい。機械は便利ではあるが、何かを操作しながらというよりも、まっすぐ相手の顔を見ながら笑顔を交わし合うほうがいいに決まっている。
子どもたち、生徒たちには外国語を学ぶ意義や楽しさを、でもそのプロセスではけっこう苦しいということも、講演を通じて伝えられればいいなと思っているところである。挫折さえしなければ、それなりの英語力は身につく。英語力が身についたのであれば、高校を出てからでもいいが、海外に出ていって直接だれかと話をする機会をたくさん持ってほしい。
木村達哉
追記
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