3月18日。アルクから連絡があり、『新ユメタンJr. 身のまわりのことを話そう編』が増刷になったとのこと。先日の『東大英語リスニングBASIC』と『ユメリス①』に続いての増刷。朋友Mr. Evineといつも言っていることだが、物書きにとっては「脱稿」「増刷」が最も心に響く言葉である。
灘校時代、新中学1年生を受け持つと『5 Stage英文法完成』を数研出版に注文し、生徒たちにはそれを教科書として使う旨を説明した。検定教科書も配付はしていたが、中心となるのは同書であった。教科書のほうは指示したときだけ持参しなさいという体であった。
当時は『新ユメタンJr.』がなかったので、身のまわりのもの、人、行事などを一覧にしたハンドアウトを毎時間用意していた。今日は教室の中、今日は街の中、今日はキッチン、今日は…といった具合いにいろんなトピックの英単語(名詞)を毎時間覚えていたのである。
外国語を覚える際には身のまわりのものを全部英語で言えるようにするとモチベーションアップにつながる。教科書を使わない理由はそこにある。『5 Stage英文法完成』とそのハンドアウト、二学期からは『新ユメタン⓪』があれば、中学の英語指導がスムーズに進むのである。
少子化が進み、どの都道府県でも生徒数が減っているというのに、『新ユメタン⓪』『新ユメタンJr.』『5 STAGE英文法』のご採用数がまったく減らないのは、当時の私と同じように思っておられる中高一貫校の先生方が多いということだろう。英語に関しては中学時代に失敗しないことで、高校に入ってからの指導がスムーズにできるようになる。
単語と文法語法は英語学習の土台の両輪である。どちらが先でどちらが後ということはなく、同時に固めていかねばならない。そりゃ一足飛びにというわけにはいかないし、我々はどんどん忘れていくので反復が必要となるのだが、できれば中学3年で『新ユメタン①』、つまり共通テストレベルの語彙が始められれば英語で失敗することはないだろう。
拙著をお使いの学校や塾を訪問すると、灘中学1年生に常々説明していた「語彙の覚え方」や「文法の勉強法」について説明することにしている。生徒たちの中には高校2年が受験勉強のスタートだと思っている向きもあろうが、実際には中1から始まっているのである。
木村達哉
追記
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