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山崎暁さんとお会いして考えたこと

2024.03.26(火) 07:00

3月26日。今の私は文章を書いて身過ぎ世過ぎをしているのだけれども、そうは言ってもその大半が教育関係の方々に読んでいただく文章なものだから、そっち方面へのアンテナをぴんと張っておかないといけないのは書くまでもない。

どうすれば東大や京大に合格できるのか等は正直申し上げると大した話ではない。ハーバード大学やMITに合格した教え子たちに聞くまでもなく、海外の大学に比べると合格しやすいのは、日本にのみ存在する「偏差値」さえ高ければなんとかなるからである。大学サイドが改善しない限り、それは続くことになる。

人間の能力は学力でのみ測れるものではない。腰の重い文科省もさすがに非認知能力の重要性を説き始めた。非認知能力とは数字では測定できない能力のことである。コミュニケーション能力、意欲、忍耐力などがそれにあたる。大学に入った後、学校から外に出た後はそれらが重要となる。

日本には石油などのカネを産み出す地下資源がないのだから、人を育てなければならないと言われているが、そのわりに国や自治体は教育に対して投資をしない。そんなものより大切なものがあると考えているのだろうけれども、そうこうしている間に教員と生徒の側が愛想を尽かし始めた。

教員志望者が減り、生徒は通信制に向かい始めた。ただでさえ子どもの数が減り、この数日だけでもいくつかの短期大学が学生募集停止を発表しているのに、その少ない子どもたちが全日制普通科を選ばずに通信制を選び始めた。アントレプレナーシップを発揮しながら東大なり京大なりといった記号には頼らずに自分で歩き始めると、旧来の企業なり学校や大学なりは消えていくだろう。

国のかたちが変わっていくのは避けられなくなった。人口が減るのだから当然ではあるし、上記の起業家精神を発揮する若い人たちが増えるのは良いことだとも思うけれども、そうじゃない人たちが記号に頼った生き方をして、苦しい未来を迎えないように、警告を発信するのも重要であろう。

今日は株式会社FROGSの山崎暁(Akira Yamazaki)さんにお会いして、日本の未来と教育について考える日となった。新しい人にお会いし、新しい教育的イノベーションが起きる予感を感じるとわくわくする。

木村達哉

追記
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