4月5日。灘校みたいに4月8日まで教員も生徒も学校に行かないところもあれば、すでに入学式や始業式が行われるところもある。灘校のように検定教科書を配付するが使わないところもあれば、教科書べったりのところもある。同じ公教育でも大違いである。
どちらが良いとか悪いとかは言わないけれども、少なくとも灘校は生徒フレンドリーではあったが、それ以上に教員フレンドリーであった。期末考査の途中で採点日が入るなど、非常に働きやすい環境であった。途中で退職した私が言うのもナンだが、ほとんどの先生方が定年まで働く学校である。
一方で、特に公立の学校では教員不足が叫ばれ始めて久しい。以前から書いていることだが、管理職の仕事は、教員が明日もここで働きたいと思うような学校づくりをすることであるが、教員が管理されているような学校現場では、そりゃ大の大人としては管理されたくないし、離れたくなるだろう。
奈良教育大学のニュースが大々的に報じられているけれども、そもそも教員を管理しようなどと不埒で下品な考え方をすること自体が間違っているのである。生徒のことを何も知らない国や自治体が、一番近くで生徒を見ている教員をコントロールしようなどとはちゃんちゃらおかしい。
戦後、国がそれぞれの学校に関与しないようにするために、教育委員会が各自治体に設置された(1945年)。国が教育に関わるとろくなことがないということが戦争で明らかになったからである。なのに現代の教育はどうだ。歴史に学ぼうとせず、またぞろ無知な国が口を出している。
これから滅びようとしている国なのだから、無謬主義に陥ることなく自分たちの過ちを認めてはどうか。なにがAll Englishだ。なにがアクティブラーニングだ。全部失敗しているじゃないか。もちろんこれは文科省に言っているのである。
木村達哉
追記
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