4月9日。すでにFacebookやTwitter(X)には書いたのでご存じの向きもあろうが、琉球新報で新しい連載をさせていただくことになった。1000文字程度の短いコラムではあるが、そして月1回のコラムではあるが、多くの方に読んでいただければ嬉しく思う。詳細はSNSとメルマガで。
人がどんどん減っている。当然のように景気が悪くなり、巨大コングロマリットを除けばそれなりの企業もそれなりの収益しか上げられなくなった。日本の株価は上がっているけれども、1980年代後半に始まったバブル景気を経験しているので、我々はもう騙されない。祭りはいつか終わると知っている。
企業のほうは必死にため込もうとする。株価が上がっているからといって収益が落ちていれば、倒産しないように、社員に給与を与え続けるために、ため込もうとするのは当然である。安い人材がいれば、能力に多少の問題があっても仕事を依頼する。
つまり、私のような売れない作家に文章を書く依頼が来るのは、相手も相当困っていることの証しであろう。安い人間に仕事が舞い込む時代になったんだなぁと思いながら、それでも気合いを入れて読者に膝を叩いてもらえる文章を必死のパッチで書いているのである。
加えて講演である。テレビに出演している先生方であれば、1回の講演料が50万円から100万円にもなるらしい。西大和学園時代、私が担当した秋山仁先生の講演もそれなりであった。一方、私ときたらそんなにもカネはかからない。行先が遠方の場合、交通費と宿泊費の実費を入れてやっと二桁行くか行かないかである。
もっと上げればいいのにと顧問税理士には言われているが、まぁ先方も苦しい台所事情でいらっしゃるんだから無理は言うまいと言いながら、何時間もかけて準備をし、オーディエンスの方々に笑顔で聞いていただけるよう資料を作る。物書きは講演ではなく、文章で儲けてやるという矜持は大切にしたい。
物書きは文章で儲けるのだと言いながら、安い仕事であっても書き仕事を引き受けるのは悪い癖かもしれないが、琉球新報の購読者は15万人ほどらしいので、その方々に読んでいただける喜びを得られるのであればと引き受けた次第である。読者の皆さんが笑顔になってくださればと、そして世知辛い世の中ではあるが頑張ってみようかなと思ってくださればと、願って4月の原稿を琉球新報担当者に送った。
木村達哉
追記
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