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ドラゴンズがあまりに弱いので

2021.04.14(水) 10:00

プロ野球が開幕して、一回りしましたね。一回りというのは、どのチームとも1回は当たったことを言います。中日ドラゴンズのファンではありますが、野球が好きな私は高校野球も含めて、さまざまなデータを見ては楽しんでいます。興南(沖縄)の我喜屋監督(校長)と親しくさせていただいているのは、ありがたいというか嬉しいというか、自分にとってはわくわくすることの1つです。甲子園の優勝監督、それも春夏連覇ですからね。

セ・リーグでは残念ですが、ドラゴンズが一番弱いですね。選手起用に論理性がないのが一番です。ベイスターズのほうが順位こそ下ですが、今のままだとドラゴンズが最下位に落ちるでしょう。ホームランを打つ打者が1人しかいない(ビシエド)のに、その彼がコンディション不良で試合に出られなくなっているのです。そしてヒットを打てる打者が1人しかいません。これでは勝てません。

野球は確率のスポーツなんですね。一番打てる打者でも70%は失敗するスポーツ。ですので、たとえば1番打者から3番打者までが連続ヒット!なんてのはほとんどレアケース。確率を計算すればわかります。打てる選手でも30%しか打てないのですから、それが3人続く確率はかなり低いですよね。数学が苦手だった私でもわかります。

加えて、ドラゴンズにはホームランを打ったことのある選手があまりいません。平田や高橋といった選手は高校時代になら打ったこともあるという程度で、プロに入ってからはほとんど打っていないのです。それ以外の選手は高校時代でさえも、あまり打っていない。そうすると試合で点数を取るためには、次の2つしか方法がないわけです。

1.ホームランを打つ練習をひたすらする
2.ヒットを打てる人を試合に出す

「1.ホームランを打つ」に関しては、面白いエピソードがあります。
福岡ドーム(現在は福岡PayPayドーム)に修学旅行で訪れた際に、ドームツアーに参加したんです。案内してくださった方が、ドームが広いことに言及し、なかなかホームランが出ないので、普段からボールにスピンをかけて遠くに飛ばす練習を全員がしているとおっしゃっていました。体の小さい選手でも、スピンをかけられればホームランにできるのですと。当時、野球部監督だった私はすごい練習をしているのだなと、そしてホークスの選手は楽しいだろうなと思いましたね。だって遠くに飛ばすことを教えてもらえるなんて、嬉しくないですか。

一方、ドラゴンズの球場も広いのですが、ホームランを打つことをあきらめ、むしろヒットをつないで投手力を整備し、1点を守る野球をしてきました。ソフトバンクとは真逆のスタイルです。そうなると、ヒットを打てる選手も大事なのですけれども、投手と守備がかなり大切だということになります。落合監督は凄い監督で、ホームランを打つ選手と守備の選手に分けていたように思います。試合前半は打つ選手が試合に出て、後半は守りの選手と入れ替わる。アメリカンフットボールみたいでしょ。でも、だからこそ優勝できたんですね。

現在のドラゴンズは、上記のとおり、ホームランを打つ選手がいません。ではヒットを打つ選手が起用されているかというと、平田と阿部と福田とマルティネスが10%、京田と高橋と木下が20%、大島が30%ということですので、ヒットが続く可能性はほとんど0に近いということになり、取れたとしても1点しか取れない打線になっているんです。これらの選手は守備はできます。しかし、ほとんど打てない選手たち。最初から守備固めの選手たちが試合に出ているのですから、点数を取ることなど不可能なのです。

とすれば、打てるかもしれない打者を起用することになります。ここが最大のポイントなんです。二軍には打者がたくさんいます。でも、上に書いた選手と違い、「成功するかどうかわからない」打者なんです。「打てない打者」と「打てるかどうかわからない打者」とを比較して、皆さんならどちらを取りますか。私なら後者を起用します。

与田監督は前者を選んでいるのです。理由は、以前は少し打ったことがあったので、もしかしたらひょっとしてそのうち打ち出すんじゃないかと思っておられるからです。しかし、確率論的に言えば、この選択は論理的ではないなと、今のままだとドラゴンズは最下位に転落するのも時間の問題ではないかと、私は思っているのです。そして、打てる人をどんどんチームに入れないと、この状態は10年近く続くはずです。投手ばかりを加入させていると、2点も取れない打者たちのチームでは投手が疲弊しますので、結局は強くならないのではないかと考えているのです。

野球について書きだすと長くなります。でも、たまに書きます。

木村達哉拝