4月17日。Yahoo!に超進学校に入るために塾通いするのはコスパが悪いという記事が流れてきて、読むだけ時間の無駄だろうなと思いながら開いてみた。案の定のクオリティーの記事ではあったが、それでは灘校のような超進学校に入るメリットとはなんだろうと考えてみた。
東大や京大に入るためにを考えるとメリットかもしれない。しかし、私の教え子にもいるが、それらに入ったところで箸にも棒にも掛からぬ人たちがけっこうおられる。頭が良かったはずだったのに東大なりに入った瞬間に凡人に変わるのだろうが、中には「東大の」という枕詞を大切にするために、何年も東大に在籍する人たちもそれなりにおられる。
保護者は刹那的な喜びを得る。「うちの子、灘校に入ったのよ」「へぇ!すごい!」「いやいや、たまたまよ!大したことないわ」などという会話ができる喜びである。ただし、この喜びもさほど長続きしない。なにしろ半数の子どもたちは真ん中より下の席次になるのだから、胸を張ってばかりいられない。そのうち「大したことない」は本音になる。
灘校の職を辞して福島に移住した前川直哉先生の受け売りで申し訳ないが、キムタツチャンネルで「灘校などの超進学校に入るメリット」について話した(こちら)とおり、灘校だの東大だの医学部だのといった記号にはまったく意味がない。が、意味があるとすれば、灘校の人脈である。
動画で話したとおり、私の大切な知り合いは灘校の人脈のおかげで命が救われた。それについては、私などは優秀どころか豆腐並みの頭脳しか持ち合わせていないけれども、その人脈に感謝してやまない。おそらく私の命が危なくなったとしても、その人脈は動いてくれるのではないかと思われる。
人はひとりでは生きられず、いくら優秀な人物であってもたかがしれた存在ではあるが、もしも超進学校に入るメリットを1つ挙げろと言われれば、自分は大したことのない人間であったとしても、優秀なる人たちにアクセスしやすいという恩恵にあずかることができるという点である。詳細は動画で述べた。あくまでも個人的意見に過ぎないが、そういう側面は否定できないと思う。
木村達哉
追記
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