5月1日。メルマガには書いたが、八十八夜である。立春から数えて88日目。新茶の美味しい季節であることから、この日に飲むと長生きができるという言い伝えが昔からある。そういう言い伝えも馬鹿にはできなくて、それなりの根拠なり経験なりに基づいた言い伝えなのだろう。
灘校は2日と3日が文化祭だが、文化祭の準備はすべて生徒たちが行うので、教員は自宅にいても構わない。結局、26年前に灘校に赴任して以来ずっと4月28日頃から5月1日までは自宅である。3年前に退職してからはどこに出かけるのも面倒で、結局は自宅でのたりのたりしている。
のたりのたりが嫌いな向きもあろうが、それに些かワーカホリックなところがある私も実はそうしたいわけではないのだけれども、よく考えてみたら高校あたりからずっとのたりのたりとは無縁の人生を送ってきた。大学を卒業した後は地獄のラッシュアワーであった。
それを考えるとすでに還暦を迎えた身としては、週に3日ぐらいはのたりのたりでいいのではないか。4日頑張って3日のたりのたり。4勝3敗。それでも中日ドラゴンズの勝率よりずっと高いのだから大したものではないか。そう思うことにした。
2024年になってその主義を通しているが、今まで以上に原稿を処理する速度が速くなったのは不思議なことである。働き過ぎず、焦ることなく、目の前の仕事を冷静に見詰め、計画に則って処理していくのである。創作であるから神様が降りてこない日はあきらめる。のたりのたり、である。
特に世間はゴールデンウィークである。お前は年がら年中ゴールデンウィークじゃないかとのたまう向きは無視して、あまりあくせくせずに、それでも年間数冊と決めた執筆ノルマだけは守りながら、これからものたりのたりと生きていこう。
木村達哉
追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。週2~3通配信です。家庭や学校、会社での会話や先生方は授業での余談にお使いください。