5月14日。週末は山口県の私立中高一貫校魅力発見フェア(主催は晃英館中学校・山口県桜ヶ丘高校・野田学園中学校高等学校・慶進中学校高等学校)で、60分の講演と時間無制限の質疑応答に登壇してきた。雨天にもかかわらず、100人もの方々がお申し込みくださった。幸甚の至りである。
「これからの日本、これからの学び」と題するお話をした。来年には日本人が1億1000万人台になり、加速度的に減少していく。2030年、つまり6年後には山口県、広島県、島根県、鳥取県を合わせたぐらいの人口がいなくなる計算である。(画像は野田学園の生徒たち製作のオブジェ)
おそらく最初は子ども相手の企業が、そのうち大人相手の企業も、どんどん姿を消していくだろう。子ども相手の企業の最たる例が私立の学校と大学、そして塾と予備校である。倒産しないようにどこも工夫を講じ、生徒たちの満足度が高い教育を心掛けている。そうでないところは淘汰されていく。
一般企業も然り。なにしろ「客」が減っていくのだから如何ともしがたい。生徒たちと学生たちはせっかく就職活動を頑張って働き始めた会社が倒産の憂き目に遭う。そうならないようにと言っても、客がいなくなる島で商売をする会社がすぐに倒産するのは目に見えている。
国はこの30年間、無策であった。政治家という名のリーダーを選んだのは国民自身である。今更どうしようもないが、愚を嘆くしかない。国は小さくなっていき、企業や店舗は潰れていくが、個人が一緒に死んでいくわけにはいかない。レベルを上げ、生き残っていかねばならない。そういう講演だった。
質疑応答では大人たちだけでなく、子どもたちも手を挙げた。切実なのは大人よりもむしろ子どもたち自身である。勉強せず、無力で無能なままの自分が生き残っていけるのか、つまりそんな自分に誰かがカネを恵んでくれるのかを考えてみれば、相当のんきな人間であっても多少は気が付くだろう。
いただいた質問には真面目に回答したが、キムタツチャンネル(こちら)でもお話をしよう。危機感を抱いている人だけでもしっかりと勉強し、ノアの箱舟に乗り遅れないようにしたい。フェアでは晃英館中学校の弘中先生と福田先生には大変お世話になった。心より感謝申し上げます。
木村達哉
追記
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