5月19日。久しぶりにというほどでもないがそれなりに久しぶりに首里城を訪れた。正殿が焼け落ちたのは2019年10月31日。それから急ピッチで修復作業が進められ、現在は職人さんたちが作業をされている様子を見ることもできる。2026年の公開に向けて、どの方々も真剣な表情である。
興南アクト部は大阪から移住した門林君が顧問を務めるクラブで、県内外の、否、国内外の観光客の案内をしている。言うまでもないが、海外の学校から依頼があった際には普段から鍛えている英語を駆使することになる。顧問は「怪しげな英語ですけど」と笑っていたけれども大したものである。
たまたまこの日はその興南アクト部が新入生部員を先輩たちがガイドのお手本を示すオリエンテーションにあたっていたことを英語科の宮城君から聞いていたので、少し様子を伺ってみようと、門林君にはいっさい告げずに「参加」したのである。
来るなら言うてよ!と門林君。急に背後から現れた小柄な初老のおっさんに戸惑う生徒たち。部員たちに「この人、君らが使っている単語集『ユメタン』の著者やで」と関西弁で雑な紹介を門林君がすると、おぉぉ!と歓声が沸き上がり、子どもたちはみな笑顔になった。
生徒たちの様子を見ていると、いや実に大したものである。新入生たちを合わせると100人もの大所帯。子どもたちとはいっても案内人としてはかなり力強い存在である。来週は神戸市の魚崎中学校という灘校のすぐ近くにある学校を案内するんですよと顧問が教えてくれた。
何人かの生徒たちが照れくさそうな笑顔で近づいてくるのは沖縄あるあるである。『ユメタン』頑張ってます!や英語好きです!なんて可愛いことを言ってくれる。いいぞいいぞ、これからもがんばれよと声を返す。はい!と笑顔で走り去っていく。
沖縄といえば基地だの貧困だのといった問題が根深く存在するけれども、それでも多くの子どもたちは健全である。彼ら彼女らの笑顔を絶やさないように、この子たちの邪魔をしないように、そして子どもたちのいいモデルになるように、大人こそしっかり生きていかねばならないと強く思う日となった。
木村達哉
追記
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