5月20日。那覇市立那覇中学校の保護者を対象に約60分の講演をした。昨年の秋に那覇市PTA総会で講演をしたが、その折にご参加になっていた同校のPTA会長からの依頼だった。参加者は70人ほどだっただろうか。沖縄の公立中学校の講演は佐敷中と豊見城中に続いて3校目である。
単に成績を上げるための秘訣を話すのも、中にはそういう講演をすることもあるのだけれども、ちょっと違うように思って、対象が保護者ということもあり、成績を伸ばすにあたって親には何ができるのかという話をした。
キムタツチャンネルではこちらで話したが、キムタツチャンネル?ナンダソレハ?という人のほうが多数派だと思うので、動画の中で話したことを更に噛んで含めて、私にしては自分でも驚くほど懇切丁寧に例を挙げながら説明した。若いお父さんお母さん方は大いに頷いておられた。
直接的には親にできることなど存在しない。いくら英語や数学が得意な親であっても、息子や娘に教えるとなると親子関係が邪魔をする。上手く教えているつもりでも、他人の子どもを教えるのとは違う。自分の子どもだと思うから当たりがきつくなるものだし、学ぶ側も甘えが出る。
が、雰囲気を作ったり、経験値を上げたり、親が素敵な大人のモデルになったりすることは非常に大切なことである。実際、灘校時代の親御さんの中には、このお父さんお母さんは極めて自然体で生きておられるのに、しっかり教育されているなと舌を巻く方々がおられ、その子どもたちは成績が良かった。
逆にネバナラナイを子どもたちに押し付ける親の場合、子どもたちは極めて気の毒であった。学校に出てこられなくなったり家出を繰り返したりする生徒たちもいた。子どもは親の所有物ではないのだ。彼らがどう生きるのかは木に立って見ているより他ないのである。
講演がお役に立ったなら嬉しい。校長先生との話の中で、不登校生徒が極めて多いとか、先生方の数が不足しているとかいった話も聞かせていただいた。教育を取り巻く環境はあまり良くないかもしれないが、だからと言って個人が不幸になるわけにはいかない。自分が努力するのみである。
木村達哉
追記
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