5月24日。キムタツ×ひーぷーのオキナワ・ジモトークという番組をお聞きになった方はご存じかと思うが、番組の冒頭で相方のひーぷーさん(脚本家の真栄平仁さん)が私に話を振る。これがけっこうな無茶ぶりで、要は授業の枕みたいなものだからどう答えようと番組に関係などないのは重々承知なのに、気の利いた回答をせねばならないと焦って、結局はいつも大した返しができずにいる。
先日の番組で、いまは何冊ぐらい執筆中なんですかと、彼にしては「まともな質問」を振ってきたので、正直に答えた。わからないけどだいたい十冊ぐらいじゃないでしょうか、と。
は?じゅっさつ?とひーぷーさん。頼まれた本は言うまでもなく、頼まれてはいないが売り込もうと思って書いている本もあれば、懸賞小説に応募しようと書いている本もある。パソコンの「企画書」フォルダに入っている「著作」を合わせるとその倍はあるが、生きているうちに全部書ければいい。
2年前に出した絵本『あなたのちからになりたくて』は同番組のゲストにプレゼントするようにしている。宮沢和史さんにもデニー知事にもサインをして手渡した。沖縄での活動を通じて思ったことを本にしようと書いてもいる。ゴルフだのドイツ語だのといろいろやってはいるが、野良猫の隣歩きをしてばかりはいられない。
2021年の卒業式予行演習で灘校生たちに「専業の物書きになりたいから君たちと一緒に灘校を卒業します」と告げたとき、万雷の拍手をもらった。檀上から降りると多くの生徒たちから握手を求められた。あんなに嬉しいことはなかった。彼らの拍手を裏切るわけにはいかないのである。
来年2月に灘校66回生たちの同窓会が行われるらしい。都合が合えば顔を出そうとは思っているが、相変わらずですねという言葉をもらわないように、まだまだ新しいことをやっておられるんですねと言ってもらえるように、好奇心旺盛な猫であろうと思っている。
木村達哉
追記
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