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AIと英語

2024.05.29(水) 09:00

5月29日。ベネッセコーポレーション大阪支社にて収録。米田謙三先生とご一緒するのは久しぶりだったが、過去に何度もご一緒していることもあり、打ち合わせを一切せずに臨むことができた。ベネッセ大阪支社も、現在の場所に移転してからは初めての訪問だった。

収録内容は、要するにICTやらAIを使った英語教育についてどう思うか、あるいは何ができるかという話題であった。6月11日から13日まで配信ということなので詳細はそちらをご覧いただければとは思うが、そもそも「何ができるか」ではなくて「何がしたいねん」である。

タブレットを導入したら成績が上がるかと言われると全くそんなことは無い。紙の教材でも生徒たちの成績を上げられない指導者が、タブレットになったら上げられるなんて上手い話はあり得ない。紙の教材よりやることが1つ増えるのだから、もしかしたら逆に下がる可能性もある。

ただ、アルクが開発した『ユメタン』のテストを例に挙げると、生徒たちはタブレットで単語テストを受けられるようになった。テストそのものもクラスの数だけAIが自動で作ってくれる。成績処理は一瞬で機械がやってくれる。教員はそのデータを見るだけで済む。

教員が生徒たちのテスト結果を見て、どの問題の正答率が高くて、どれが低いのかは一目瞭然。その点で言えば、タブレットを導入したことで、『ユメタン』の確認テストを作成する手間が省けたとか、成績を転記する手間が省けたとかいったことはある。つまり、省力化はできるということだ。

あまり書くとベネッセコーポレーションに叱られそうなので続きは収録したものをご覧いただくとして、タブレットは万能ではないし、AIも然りである。DeepLやChatGPTの作った英文が正しいとは限らない。その文法的文脈上瑕疵を指摘するのは、人間なのである。したがって人間のレベルが低いと、そのまま受け入れるしかなく、結局はなんじゃそりゃという英語を使うことになる。

AIが進歩したのだから英語なんてという珍しい方もおられるようだが、それは単に英語の勉強をしたくない言い訳をしているだけである。そういう人は、電卓が進歩したのだから算数や数学などしなくていいし、Uberが普及したのだから料理などしなくていいと仰るのだろうか。

人間は生きているうちにこんなことができるようになりたいという希望や夢を抱きながら生きるのである。AIにしても何にしても便利なツールではあるが、単なる道具でしかない。その道具を使って何がしたいねんというのが一番大事なのだ。

木村達哉

追記
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