6月20日。週末は福島と仙台でアビリティという塾が主催するイベントに登壇し、英語の成績を上げるメソッドについて、モチベーションアップのメカニズムについて、お話をさせていただく。それに備えて沖縄から西宮の自宅に帰ってきた。沖縄はせっかく梅雨明けだというのに、梅雨入りの本州に帰ってきたことで、しばらくは雨続きの生活である。
英語の成績を上げるのは、論理的思考が必須である数学や理科に比べると大して難しくはない。例えば、講演でお話をしようと思っている冠詞(aとthe)の違いを知るだけでも英作文の点数は上がる。『ユメタン①』レベルの1000語を覚えるだけでも共通テストであれば高得点が望める。あの1000語程度は全部覚えるのは当然だが、さほど難しいことではない。
メルマガには書いたけれども、けっこう時間がかかるのがリスニングである。英語耳とよく言うが、耳というより脳が判断できるようになるためにはそれなりの時間がかかる。相手が話している英語の中にたくさん知らない単語や表現が出てくると、いくら耳が敏感であっても理解できるわけがない。したがって、語彙力アップはリスニングには欠かせない。
英語が話せないんですよと仰る日本人が多いが、それは嘘であることはメルマガで書いたとおり。ほとんどの日本人は英語が話せる。「おはよう」や「さようなら」、名前や住所など、あるレベルまでは話せる。以前、『ユメタン』をお使いの上海の学校を訪問したとき、幹部の方々と夜の街に繰り出したが、お会いした中国人はほとんど英語ができなかった。平均的な日本人はかなり英語が話せる。
なのに話せないと思うのは、謙虚さ故ではなく、自分が思う「英語が話せる人物イメージ」に達していないということなのだろう。であれば、英語が話せるレベルを上げればいいのである。戦争について、日本経済について、少子化について、故郷について、会社について、趣味について、話す練習をすれば絶対に話せるようになる。
生徒向けにはベネッセの『トレーニングセミナー』やGakkenの『3ステップスピーキングドリル』を書いたけれども、大人向けの英語スピーキングドリルが書ければいいなと思っている。ただ、英語が話せるようになりたいと思う人が、日本では意外と少ないものだから、英語の本が対策本以外ほとんど売れず、書店の英語本コーナーは閑古鳥が鳴く状態である。
文科省が悪いのか財務省が悪いのか経済産業省が悪いのかはわからないが、結局は日本人の「もっと勉強したい」欲があまりにも希薄なのが、日本の沈滞ムードに拍車をかけているのだろうなと考える。外国語が話せるようになると海外に行ってみたいなとか暮らしてみたいなとかいった気持ちが高まるし、それが経済にも好影響を及ぼすように思えてならない。
今こそ外国語を。福島と仙台ではそんな話もさせていただこう。
木村達哉
追記
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